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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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今日のレコード

今日のレコードは、モーツァルトの後期交響曲集です。
35番『ハーフナー』、36番『リンツ』、38番『プラーハ』、39番、40番、41番『ジュピター』がカップリングされたカール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のレコードです。

当時モーツァルトの後期交響曲の名盤は少なく、定評のあったベームがまとめて出すとのことで、高額でしたが無理をして手に入れたことを思い出しました。
そこで、ベートーヴェンと同様にモーツァルトを繰り返し聴いているうちに、どうもべートーヴェンの時のように音楽がぐいぐいとこちらに迫ってくるような事にはならず、あらためてモーツァルトの音楽の難しさに直面したことを覚えています。

その後10数年モーツァルトの、ピアノソナタ・ピアノコンツエルト・ヴァイオリンソナタ・室内楽等を聴きこんでいく中で、ベームの指揮する後期交響曲集の真価が見え隠れしていたものが徐々にはっきりとした形で私の前に現れてきたのです。
それは、モーツァルトの音楽の深い愛と無心の美しさ、表面は優美で明るくとても楽しい。
だが、その内面には人間の苦悩や悲しみや激情が潜んでいる後期シンフォニーなのです。

どちらかというと簡素な配置の音の並びに、驚くほど多様な変化とニュアンスのうごきがかくされていて、テンポは同じなのに調性が微妙な色合いで移り変わり、ほんの少しの音の上下で音楽そのものの楽想は一変する。
表面はロココ趣味的だったり、明るく楽しげで人なつこく聴こえるその奥に実はモーツァルトの神童たるゆえんがあるのです。

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by npo-iezukurinokai | 2014-04-23 09:33 | アルコーブ・U | Comments(0)
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