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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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保存か解体か!神奈川県立近代美術館を訪ねる

浄智寺庫裡の見学を終え、北鎌倉から20分ほど下って、神奈川県立近代美術館(鎌倉)に向かう。

建築家坂倉準三がコンペ(競技設計)で勝ち取り1951年竣工した日本初の近代美術館である。1999年にDOCOMOMOの日本の近代建築20選に選出された日本を代表する近代建築だ。
2016年3月末の鶴岡八幡宮との土地貸借契約満了により閉館の見通しとなっているが、日本建築家協会が神奈川県に保存の要望書を出している。
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この美術館を語る時、必ず引き合いに出される、平家池を望み、これを取り込むようなピロテイ下の空間。左右にこの建築の巾分連続する。晴れの日であれば、水面を反射した太陽光が天井面に揺らぐ。

実は、私はこの建築の歴史的価値は認め、保存には勿論賛成なのだが、上記のピロテイ空間以外には、(こんなことを言うのは恐れ多いことだが)強く魅かれるものを感じることが出来ない。
この「鎌倉散歩」では、この美術館を高く評価し魅力を感じている仲間がいれば、その話を聞くことで、自らの建築に対する感得力、理解力を拡張出来ればと、秘かに思っていた。
タケル・クインデイチでの昼食時、身近な席にいた建築家仲間にこの話を持ちかけた。Y氏は私同様の感想を持ち、K氏、M氏は好感を持って評価した。が、私を説得させるまでには至らなかった。
こうした、評価の違い、感じ方の違いは、どこからくるのだろうか。
人は、自らの体験の積み重ねの中で築いてきた世界観でモノを見ると言う宿命を負っている。評価の違い、感動の仕方の違いは、有って当然のことなのだろうか。

この「散歩」の折、入手した最新情報では、この美術館は「保存される方向で検討が進んでいる」とのことである。

                            野口泰司/野口泰司建築工房
                            http://homepage2.nifty.com/ntkk/
by npo-iezukurinokai | 2014-06-06 12:31 | Comments(0)
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