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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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契約電力の検討

本日は白崎泰弘 が当番です。
今回は、現場段階で私が契約電力について検討した話を紹介します。
住宅の契約電力は60アンペアを超すと、KVA契約になります。40坪前後だと60アンペアまでで、今までの電気工事業者の経験値でアンペア数を決めることがほとんど。
60アンペアを超えると、次の単位は8KVA、10KVA、・・・となっていき、電気料金も変わっていきます。
以下は、私の設計室で書いているブログ「デザインと機能性のある家」で書いた記事の再掲です。

契約電力の検討_d0021969_20064676.jpg
この家の場合、蓄熱暖房機や太陽光発電を採用することから、電気屋さんに相談したところ、「お客さんの使い方ですから、なんとも。。10KVAか、12KVAじゃないですか? いや、もっと使うかもしれない」
私の予想としては、家族構成や延床面積から、8KVA、10KVAあたりと思っていたので、電気屋さんの見解との差に不安を感じました。また、根拠のないところで議論してもしようがないので、今回、初の試みで、ライフスタイルに合わせてどのくらい電気を使うだろうかというところで、写真のような検討書を作成しました。
考え方のポイントは、「フル」「来客時」「通常」に分けて考えたところです。
フルはまずあり得ないのですが、電気屋さんと交わす会話で多いのが「全体の8割かね?7割かね?」といったものです。これも、本当は根拠がないことになる。
おそらく、どんな家庭でも、無駄な電気をつけっぱなしはないと思います。でも、来客時は、電気の使いかたが多くなるはずです。例えば、玄関や廊下、便所の電気はつけっぱなしにしておく等。エアコンもいつもより贅沢気味に使うかもしれません。
お客さんが来たときに、ブレーカーが落ちたのでは、招いた主としては顔が立ちません。
また、エアコンは電源を入れてコンプレッサーがフル稼働しているときに電力の消費が大きくなりますが、室内の気温が設定温度に近くなり送風運転に切り替わっていくと、消費電力がとても小さくなります。
例えば、一例ですが、最大消費量600Wのエアコンが17分後に20Wになったという実験もあります。
部屋の大きさによるので、どんな場合でもそこまで電力量が落ちるわけではありませんが、参考になる実験です。
ということは
「複数のエアコンを同時に電源を入れることはしない」
これが契約電力を抑えるポイントになります。
それから、全自動の洗濯乾燥機を回しながら掃除機をかけるだろうというのも大事なポイントです。インドアタイプのご家族だったら、さらにエアコンも同時に動かしているかもしれない。
そういった、もろもろの生活シーンをシミュレーションをしてみたわけです。
ちなみに「フル」を100とすると、「来客時」が47、「通常」が45という結果になりました。
照明において白熱球がなくなったことで、今までの経験値より大分消費電力量を落とせるという印象をもちました。
果たして私の見立てに近い検討結果となり、お客様も納得して契約電力を決めることとなりました。
当時は、LED照明がまだ割高で蛍光灯を多く使っていました。今は、LEDも安くなっており、照明に要する電力も大幅に減りました。検討の仕方も、少しづつ変わってきています。




by npo-iezukurinokai | 2015-02-07 20:18 | シーズ・アーキスタディオ | Comments(0)
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