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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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伝統について

大学生の時、伝統についてのレポートの提出があり、当時私はアバンギャルドな建築が好きで伝統に対しては否定的な考えでした。

あらゆる創造的な行為は、如何なる物からも全くの自由でなければならず、とりわけ伝統などという過去の物からの伝承的な行為には囚われるべきではないと言う姿勢でいました。かえって捨てる勇気を人々は持たなければならないと強く言っていましたし、そのように書きました。

また書きながら自分の考えを纏めようと、片方には二百年・三百年と言う年月を経て日常の中から育まれ、無駄な物は殺ぎ落とされて一種の結晶のような美しさと重みがある民家等は、我々が設計に一年二年とかけても、とても太刀打ちできるものではないなと言う伝統容認のような事実もあり、そちらのレポートも書きながら考えを纏めていました。

やはり軍パイは伝統否定のほうにあり、結局二つのレポートが出来上がり私は伝統否定のほうを提出し、もうひとつの伝統容認の方はまだ書いていない友人に上げましたが、私の成績はCで、友人はAでした。そう言った苦い経験からでしょうか、現在では、限りなく伝統を大切にしたいと考えるようになっています。

写真(撮影:村井修)は、別府の家で竹工芸で有名な地域性を出そうと、天井に割った竹を張り上げています。

伝統について_d0021969_731774.jpg

NPO法人 家づくりの会所属 小林英治建築研究所/小林英治

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by npo-iezukurinokai | 2005-06-02 07:31
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