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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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1ヶ月点検、1年点検をする私の理由


 昨日竣工引渡し1年後の点検に行ってきました。自分の場合通常1ヶ月後と1年後に点検をしています。1ヵ月後の点検を行うのは、竣工検査の際どうしても住んでみないと見出せない不具合が残ってしまうからで、その不具合を全部見出そうとすると重箱の隅を突っつくようになり、せっかく気持ちを込めて工事してくれた人たちに、その建物への愛情そぎ落とすような気持ちにさせてしまうからです。基本的な問題は検査前にすでに工事やさんに伝えてあり、まずはつくってくれたことへの感謝をしたいからです。私たちの設計は要求が細かくそれを嫌がらずむしろ意気込んでつくろうという気持ちにさせることも私達の重要な仕事です。粗捜しのようなことをせずともいい職人さんなら自分でもわかっています。住みはじめて1ヵ月後に改めて点検し、1割程の残金もその手直しを確認して支払うルールにしているのでだれも神経質にならずに済みます。それよりは皆で気持ちよく完成したことを喜び合い、その建物に愛着を持って今後何かあっても気持ち良く対応してもらうための工夫の一つです。
 1年点検を行うのは、木造の場合、工事の不具合に無償で手直していただく瑕疵担保期間が1年だからです。基本構造と雨漏りは10年ですがそれ以外は1年なのでその間に指摘して手直ししていただくために行います。
 今回は庭への出入り用の木戸の閉まり具合、玄関庇の防水のシール切れ、障子の鴨居調整、2階デッキの手摺壁の木部一部変色への対応、洗面所壁天井下地のボード繋ぎ目に生じたペンキのヘアクラック、天井換気扇の取り付け不具合などでした。写真が点検した家です。
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 点検後工事の監督さん、大工さんそれと事務所の皆でお昼をご馳走になり、“基本的には大満足して暮らしています”という一言で充実した気持ちにさせていただきました。事務所の者達はその後図に乗って、音の漏れチェックと称して、簡易的に作ったホームシアターでキングコングの映画をつい1本観てしまい、気分よい1日を過ごして帰ってきました。藤原昭夫/結設計
by npo-iezukurinokai | 2008-10-27 15:40 | 結(ゆい)設計 | Comments(1)
Commented by nt-lab at 2008-10-28 07:20
わたしもついつい、調子に乗りすぎます。笑
調子に乗せるのも「施主の力」ですね。
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