368枚も大量に歌川国芳をはじめ歌川広重や豊国の作品など、浮世絵の版木が富山の旧家の蔵から発見されたそうです。これにより当時の浮世絵制作の過程が解明されそうというニュースを聞きました。
浮世絵は江戸時代、役者のブロマイドや街道風景画など庶民の娯楽用として人気があったが、飾って鑑賞するのではなく、日々身近な日常の楽しみのために普及したものとのこと。
より楽しく面白く見るために広重の端正さ、北斎のダイナミックな構図、伸びやかな美人画、そして決して二枚目の役者プロフィールではない写楽の洒脱な役者絵などが展開され、これは江戸のポップアートだと思います。江戸時代に花開いたこの浮世絵は、粋でお洒落な遊び心いっぱいの江戸っ子ならではの世界を創り出しました。
アメリカ人F.L.ライトは、自身の建築理念や表現に、ルイス・サリバンと浮世絵からしか影響を受けていないと言い切っています。今回見つかった版木から浮世絵の新たな美や技などが解明されそうな気配、注目しています。
見つかった版木の一部は24日から千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で公開されるそうです。
植木 秀視/植木設計事務所(
NPO法人家づくりの会所属)