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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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カテゴリ:藤原 昭夫( 59 )

貴方ならどうリフォームします?

結設計の藤原ですが、格調高い家づくりの会のブログの品位を下げそうで大変恐縮ですが、今回、ビフォアアフター風に、当事務所で楽しい内覧会を企画してみました。
ここではリノベーション前の乱雑な写真と図面しか提示しません。それをもとにご自分ならどうリフォームするか試みていただき、現地の内覧会でその違いを確認してみていただく、という趣向です。同じ住宅であっても、設計者によって出来上がりが全く違ってしまうことを実感されること受け合います。アフターの写真は希望者があれば内覧会後に掲載いたします。

リフォームは住まいの溢れかえる“もの”を何とかしたい、と考え始めることが多いものです。今回の計画も大量の本と暗くすみにくい家を何とかしたいというところに、防衛省の防音工事助成金等を上手に活用すると1000万円近く出そうだということで、40年前に建てた住宅内部を、もう1000万円足して生まれ変わったように新しくしたい、ということで始まった計画です。生まれ変わったようにするには、何に着目してどう計画したかを推量していただけるよう、敢えて片づけを放棄した段階での古い写真を、建て主さん了解のもと、使用させていただきました。
まずは居間に溢れ変える本と本箱、でもこれはほんの一部でした。尋常な手段だけでは収まりません、何か特殊な手を打たないと行けません。

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下の写真はテレビのある居間ですが、北側の窓からは多少の光は入るものの、冷気も入ってきます。
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南には窓がなく日中全く日が差さず、暗くて閉鎖的です。これも根本的なところからかえないといけません。当然耐震改修も考えなければならないようです。
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同じような状況のキッチンです。7.5畳と広さは十分ですが、食卓を置くには狭く、このままでは使いにくく、閉じ込められた空間で何とかしたいところです。

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同じ洗面所と洗濯機置き場です。窓側に洗面台を置くと鏡で窓が塞がれ、鬱陶しい洗面所になるということで、脇の壁際に置いていますが、やはり使いにくく物で溢れかえっています。何とかしたいです。

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同じくリフォーム前の浴室で、40年前にはよくあった内焚き釜ころのままのです。たぶん土台もだいぶ腐っていると思われます。まさに一新したい浴室です。できれば朝風呂もできるよう明るく、窓から樹木でも眺められたら最高です。

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ベランダを後付で足した以外殆ど変えていない外観写真です。後付けのためベランダを瓦の上に置いたため、二階の部屋からは50センチ程段を上らないと出れません。そのため殆ど使っていません。樋も外れて雨が溢れ出ます。屋根の形もすっきりせず、何度か外壁の塗り替えだけはしたものの、一階窓上の染みなど、気になるところが多々あります。

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他に玄関も狭く使いにくく、二階トイレには手洗いも欲しく、寝室もすっきりさせたいです。一階トイレの和風便所も何とかしたいところです。とにかく冬は床下から底冷えする程寒く、ファンヒーターを焚きっぱなしで、空気も汚れ、光熱費も馬鹿になりません。予算は無尽蔵にあるわけでなし、何から何まで直していたらきりがありません。子供達の部屋はもう大人だし、二人の娘は外に出て暮らしているので、帰って来た時に泊まれるようになっていれば良いと考えているとのことでした。

このような住宅はどのように変えられるものか見てみませんか。正直新築よりリフォームの方が難しいと言われていますが、全くその通りです。設計者によっても内容や雰囲気に大きく違いが出ます。ためしに皆さんも自分ならどうリフォームするかを考えてみませんか?7月30日に予定しているリフォーム後の内覧会前に、皆さんも下のリフォーム前の平面図でリフォーム計画をして見て下さい。その方が内覧会を楽しめること受け合いです。下の平面図を自分なりにリフォーム計画し、その平面図(スケッチ)を私どもに送っていただければ、当日講評アドバイスいたします。あるいはご自宅の平面図のリフォーム計画も周辺や内部写真と一緒に送っていただければ、私どもなりにそれにもアドバイスもいたします。

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こちらより計画用の平面図を印刷し、計画してみて下さい。

内覧会では、防音工事助成金は活用次第で、活用できる金額が大きく違ってくることや、防音工事関係者達は独特の村社会を形成していて、慣れない設計者や工事屋さんは極めて入りにくく、戸惑いや失敗をさせられることが多いこと、大量の本の収納の方法、既存住宅の断熱化の難しさ、リフォームでの抜本的暖房工事など、リフォームだけではない盛りだくさんの話も予定しています。

【内覧会情報】
日程 : 2016年7月30日(土) 
場所 : 小田急線 南林間駅 徒歩5分
場所・時間等の詳しい情報はお申込み頂いた方にメールでご連絡させて頂きます。                                     こちらよりお申し込み下さい。
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by npo-iezukurinokai | 2016-07-01 14:42 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

木製新外壁材

外壁材を全く新しくデザインして、作ってみました。
手前側がその外壁材を貼った部分で、奥のの棟が通常の下見板貼りです。
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表面の仕上げ材は間柱材を45度で使用したものです。
近くで見るとかなり独創的で、気に入っています。
写真拡大して見て下さい。正倉院の校倉をイメージしています。
他でも使用できるように、規格品化したいと考えています。
ご意見いただければ。結設計/藤原
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by npo-iezukurinokai | 2016-06-18 12:33 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

自分でできる外壁洗浄ー25年間の汚れもこの通りー

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上の写真はなにかお分かりですか?元の汚れた壁と丸く白いところがきれいなったところです。
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上の写真はきれいにしてる犯人いや勇姿です。
連休中、家庭内での点数稼ぎ(罪ほろぼし?)に25年以上経て汚れたコンクリート壁や左官壁壁に高圧洗浄をかけてみました。下がかける前の門柱の写真です。
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それがこのようになりました。
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このようなコンクリートの塀も
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こんなに面白いほどきれいになります。
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モルタルの壁の汚れも
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このように
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この通り。
決して私は高圧洗浄機の販売店の回し者ではありません。
でもペンキやさん等が飛び込みで、外壁の補修をしないといけないんじゃないですか?といわれることはありませんか。
また私どもの設計では左官壁の仕様が多かったりするものですから、もしかして汚れてお困りの方がいらしてはいけないと思い、このように自分でもきれいにできることをお知らせしたく、ブログに書かせていただきました。
但し、水圧は多少調節できますが、高い場合、きれいになるだけに、コンクリートやモルタルの壁を少し傷めるところがあり、砂がはじかれたり、綻びかけたところが欠けたりすることがあります。そのため雨合羽やマスク、メガネが必須です。ご注意ください。でも欠けたところは補修すべきところを事前に教えてくれたと思えば納得できます。また経年変化で多少の色の変化程度で、庇がかかっていて、汚れが気にならないところまでは高圧洗浄をかける必要はありません。経年変化を楽しみください。
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by npo-iezukurinokai | 2016-05-19 09:29 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

解体移築検証デモ事業の結果報告

前回、私、結設計/藤原が当番のブログで紹介した、解体移築を見せる事業、無事完了しました。岩手県の遠野市で建てて、それの解体作業を見せて、解体部材を盛岡市に運んで、盛岡アイスアリーナの住宅祭会場前に再度建てて見せるという事業でした。下の写真が案内にも載せた、遠野で建てた内部写真です。窓の外に足場が見えます。
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これを三日間で解体して、解体部材を盛岡市に運んで、下のように再度建てました。
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8月28、29、30日の3日間展示され、私は28、29日はさぼって、30日のみ、来た方に案内説明をいたしました。内部は下のようになっています。
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これも31日は内部の設備機器や照明器具等が外され、再度建築できるようにしての解体作業は、二度目のせいか、その翌日の一日で終わりました。
NHK岩手の“おばんです"で放映されたせいか、600組の方が中を見ていかれました。
小ささが気に入られ、質問が相次ぎました。
解体移築が容易という需要が今現在あるわけではありませんが、最初は夫婦だけの家を建て、子供が大きくなったら車庫の上に子供部屋が乗った家を建て、子供が独立したらそれを店舗あるいは子供世帯の家の建築部材に再使用する、もしくは仕事のある週日は市内のマンションで、週末は自然豊かな地方で、趣味のための小さな家として使う、などと、この工法の特徴が新しい需要や文化を生み出してくれると面白いなあと思っています。
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by npo-iezukurinokai | 2015-09-12 17:29 | 藤原昭夫 | Comments(0)

建築の解体と再建て込み、実演イベントのご案内

今日のブログ当番の結設計・藤原です。今日は岩手の仲間と予定している建築のイベントの案内をさせて下さい。
岩手県の被災地から始まった木造軸組み新工法(FSB工法)の、解体及び再建て込みの、実演イベントのご案内をさせていただきます。
東日本大震災の被災地での59棟の応急仮設住宅から始まった本工法は、通常建築用の工法ながら、在来軸組工法とは全く異なった建築の造り方をしていて、建築はもとより、その仕方(行為)に大きな特徴があります。組合仮設事務所兼試作住宅、戸建て再建住宅4棟、釜石地方森林組合本設事務所、及び汎用化事例となる那須町の戸建て住宅と、変遷しつつ改善進化をしてきました。一作毎に試行錯誤や耐力試験等を繰り返し、又30分の耐火構造の認定も取得し、全解体形式では工法技術として一つの到達点に至ったと思っています。
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これまで建った建築や構造躯体の展示は数多く有りましたが、建て上げる、又は解体、再建て込みという、建築行為としてのイベントはありません。たった9坪の建築面積、延べ床13.5坪の小さい住宅ながら、新工法の要点である、解体と再建込みの過程をご覧いただき、部材のリユースを容易にする工法が、未来にどのような可能性を感じさせるのか、考えて頂く実演イベントです。
建築が希少資源の採取や浪費あるいは廃材で、環境に負荷を増大させ、さらに二酸化炭素の排出抑制が叫ばれている今日、使用される木材が生育に60年を必要とする住宅が、30年弱で解体廃棄される現実があります。所有者に長期使用を情緒的に強いるだけで、技術者は有効な手だてを打てずに来ました。
この状況に、木造建築の部材の再使用を想定した新しい工法を、私たちなりに実践しながら開発してきました。建築を完成されたものとしてだけでなく、如何に生産され、如何に解体廃棄、あるいは再使用がなされるのかという、地球環境の資源の循環行為として捉えることで、建築が違って姿が見えます。
私たちはこのように部材の再使用を想定した工法技術を発展させ、循環型社会の建築を業界超えて広く社会に文化として根付いていくことを願っています。つまり建築をものとしてだけでなく、行為として厳しく問い、評価して頂くため、多くの方に、本工法とその行為を見て頂くよう発信するものです。
プロジェクト名:「森の貯金箱」住宅移築プロジェクト
主催:岩手県建築士事務所協会
事業遂行グループ:岩手県森林組合連合会、((株)リンデンバウム遠野+((株)ハウズ、結設計
建築建込:8月3~6日(予備日7日)
建築内覧会遠野:8月8,9日
解体行為イベント期日:8月11、(予備日12日)、
場所・岩手県遠野市青笹町中沢8-1-11(株)遠野市リンデンバウム遠野敷地内
再建込みイベント期日:8月24、(予備日25日)、
場所・盛岡市本宮5丁目4-1アイス盛岡市アリーナ・北東駐車場
建物展示:8月29、30日(盛岡住宅祭)、場所同上
尚、
このイベントとは別に、8月8日(土)、9日(日)に、つくば市で当事務所の通常の在来工法の、薪ストーブのある住宅の内覧会を行います。居間と食堂は定石の小幅板の吸音天井となっていて、今回はミニコンポを持ち込んで他の部屋の天井とで音の比較を予定しています。詳しくは結設計のホームページをご覧ください。

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by npo-iezukurinokai | 2015-07-27 20:53 | 藤原昭夫 | Comments(0)

空き家対策、あなたには不要ですか

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35年程前に独身だった仲間20人で15万円づつ出し合って作った、西伊豆の鉄筋コンクリートの共同別荘の屋根上から駿河湾を望んだ写真です。
最近空き家対策がメディアを賑わしています。
同年代の同窓生に会うと、かなりの確率で田舎の実家が空き家で、どうしようか悩んでいるという話を聞きます。
未だ古くなったマンションや別荘なら、買い手がつくなら売るという選択肢があります。実家等ご先祖から続いた家となるとそう簡単に割り切れません。多少経費が掛かっても時々通って空気の入れ替えや掃除、庭の手入れをするとか、近くの親戚や不動産屋さんに管理を委託するとかしている状況のようです。
家というものは、単なるものではなく、絆の象徴の要素があり、なかなか割り切れません。空き家でないにしても、修理や改修に予想以上の費用を要するので、母屋の脇に小さな新築住宅を建てた方が安いと、そちらで暮らしている方もいるようです。昔の家の処置はとても悩ましい問題です。
私も共同別荘をどう始末付けるかとか、実家をどうすべきかなど、他人ごとではない問題として、身に迫られています。
でも、これらの空き家を、活用したいと考える人たちと、利用方法を考えていくことができれば、負担ではなく、資源とすることになり、今最も重要な考えといえそうです。
たとえば、多世代や近隣同士のシェアハウスにするとか、グループホーム、あるいはコレクトハウス、もしくは、小さなデイケア訪問介護ステーション、海外旅行者等のネットワーク体験住宅宿泊施設等、活用のソフトはいろいろありそうです。
参考にならないかもしれませんが、建築学会の機関誌(建築雑誌)「空き家考」を特集しています。
下のような住宅が売却され、敷地分割され、小さな建売住宅になるのは、あまりに寂しいと思いません?。
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by npo-iezukurinokai | 2015-06-10 20:00 | 藤原昭夫 | Comments(0)

住宅の評価は中古になって決まる?

住宅は完成した時がすべてではない、とよく言われます。
通常は長く住み続けられることを大事に考えないといけない、という意味で使われる言葉なのですが、全く考えていなかった方向から、その真価が問われることがありました。先日私どものところに相談に見えられた方に、どこで私どもを知りました?とお尋ねしたら、中古物件を探していたら、気に入った住宅があって、すぐに申し込んだら、すでに買い手がついていたということで、取扱っていた不動産屋さんに、その物件を手がけた設計事務所はどこ?と聞いて私どもを知ったということでした。下の写真がその住宅で、その内部です。
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その住宅は6年ほど前に設計監理をさせていただいたもので、事前に建て主さんから、事情ができて関西に引っ越すことになり、売却せざるを得なくなった、と伺っておりました。建て主さん曰く、とても愛着があって、時間かかってもいいから、とかなり強気の価格を設定したとおっしゃっていただきました。しかしひと月もしないうちに売れたということでした。
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まさかその住宅を購入しようとして私ども知っていただくことがあろうとは、思いもよりませんでした。
そういえば、十年程前のことですが横浜と内房の方で、当時からさらに17年ほど前に、私どもが設計監理した住宅を、土地価格は近隣の相場価格で、横浜の方が1600万円の工事費で建てた家を1000万円で、内房の方は1800万円で建てた家を2000万円で売ることができたとおっしゃっていたことがありました。これからの時代はますます流動化した社会になり、住宅も売却される機会が増々多くなることが予想され、その時にこそ、住宅の真価が問われることを、肝に銘じる必要がありそうです。
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by npo-iezukurinokai | 2015-04-22 12:38 | 藤原昭夫 | Comments(0)

家づくり、皆に共通する仕組みも気にしてみない?

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「建築家」のように末尾に「家」という文字が付く職業は、自分の味を売る職業のため、他との違いを気にし、自分の固性を強調しようとします。設計者は特に、依頼者の固別の条件の中から固有の特徴を引き出し、他にない良さというか特性を生み出してあげようとするから尚更です。
でも今日は、固有性より誰の家にもある共通事項の重要性について話したいと思います。
写真の家は、FSB工法と言って、私の事務所で開発した木造軸組み工法の一種で、那須町に建てた住宅です。これは壁に板を貼っているのではなく、壁そのものが、柱と同寸の角材を実(さね)材を挟みつつ、立て並べて壁にし、そのまま仕上げにした住宅です。今、釜石を中心に、被災地で5棟ほど同じ工法でたてました。
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この被災地タイプの住宅は、設計者は自分の固有性は殆ど出せず、丁寧に考えてあげるだけで、施工性優先です。現在も数棟計画中ですが、工事屋さんが忙しく、待っていただいています。被災地の場合は仮設住宅で暮らしている方のための家が殆どなので、坪単価40~50万円で建てています。

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写真の那須町の家の単価は77万円でした。下の写真はその建て並べた壁に和紙を直に貼った部屋の写真です。廃棄処理に苦労する石膏ボードを使用しません。木を露わにすることに抵抗ある方には、このような白い壁にすることもできます。和紙ですので、通常の住宅の3~4倍ある木材の蓄熱性能と調湿機能は損なわれません。
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この家を紹介しようとしたのは、この工法は木材を通常の工法より3~4倍多く使用します。そのため、林業を活性化することになります。林業が活性化し、森林整備が盛んになれば、二酸化炭素の吸収固定量が多くなり、地球温暖化の速度を少しながら遅延させます。
でも現在の日本では、住宅の平均寿命は30年未満です。これだといくら木造で家をつくっても、50年かかって生育した木材を30年で焼却することになり、結局二酸化炭素を増大させることになってしまいます。

写真で紹介した住宅のFSB工法は、住宅が不要になった時、解体が容易で解体した部材は再使用できるように、あらかじめ最初から考えられた工法です。だから、自分の子供の代になった時、無理やり親の住宅を使い続ける必要がなく、解体部材で子供なりに、新しい(?)間取りで住宅を作ることができます。焼却もせず廃棄物も出しません。

どうも共通のことではなく、固有性の話をしているように聞こえるかもしれませんが、工法とは、実は誰にも共通するものの話であるからです。つまり紹介したFSB工法でなくても、大量の木材を使用して、使用した部材が容易に再使用できる、又は60年以上焼却されないことを保証できるものであれば、家を作るということが地球環境の改善に少しながら貢献することになるのです。個人の果たせる量はほんのわずかですが、それでも少なくともFSB工法で建てると、一軒の住宅で1ヘクタールの森林整備が進められます。FSB工法で建てる場合は、必ずトレーサビりティーを明確にする報告を義務付けています。ですから重油を消費し続け、船で運ばれてきた外材の使用はさせません。材木の出荷地を登録させ、だれにも明らかになるように開示します。形やデザインのような固有のことは自由にできます。皆に共通する工法のことを考えて、多くの方が環境を改善していく工法で建てるようになれば、社会を少しづつ変える力になるのです。少なくても自分だけでもいいからそのような力になりたいと思われる方が多くなっていくことを期待しています。藤原昭夫/結設計
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by npo-iezukurinokai | 2015-03-06 20:25 | 結(ゆい)設計 | Comments(0)

建築費高騰と設計者の役割—罠のある大きな構図の中で


—被災地で極限までに安価に建てたFSB工法完成前の住宅内部
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写真2—関東で設計者の考えに共感して依頼した同じ工法の住宅内部
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 最近関東での建築工事費が上がってきて、見積もり調整に苦労する度合いがより高くなって来ました。建築従事者がどんどん減少していく構図の中で、東京オリンピックや震災復興のせいなのか、工事費が高騰し、住宅で設計者的工夫の余地あるものが作りにくくなってきています。被災地ではその度合いが著しく、資金のない方のため、極限までに安価な住宅を創らなければならない状況では、設計者のやれることは、法的手続き以外殆どありません。たまたま提案した、木材を大量に使う新しい工法の建築に、建築確認申請が難しいからということで、設計の手伝いをしています。やれることはせいぜい建て主の使い易さを、できる限り忖度してあげて間取りを考え、その上で施工者のやり易さを図面化することぐらいで、工務店の設計部とさして変わらない役割のみです。正直建て主の言う通りに図面化するだけでは、その住宅の中に潜む問題の根本的な解決にはならず、さしていい設計にはなりません。
 たとえば冬かなり寒いところということで、陽射しが入り易い位置に建てようと、土を一部切り崩さなければならないところに配置しようとしても、費用増になるからと、日当りが多少悪くなっても工事し易い位置でよい、となります。大量の木材を使用しているため、蓄熱性能の高い住宅になるので、10年の暖房灯油代で元が取れるから、深夜電力使用のヒートポンプ式の蓄熱ヒーターを提案しても、建築段階での費用増になるので取りやめ、冷たい風を床下に入れこむ、冬冷房のような床下換気にせざるを得ない設計になったりもします。予算や借り入れの限界、家族数等で、必要面積を考えるとしょうがないのですが、形態やデザインのためだけなら、設計者の個人的こだわりは諦めもしますが、機能や居住性能に関わった、明らかなメリットの放棄には、設計者として内心忸怩たるものがあります。
 確かに新しいことは施工者には慣れていない作業となり、戸惑わせ、人工が掛かってしまい、費用増に結びつくのです。究極の低予算では工事者の意向が全てで、設計者の出る幕はありません。依頼者が私の考え方を信頼して来た方なら、あらゆる方法を駆使してでも何とかするのですが、元々住宅では設計者を必要としない風土の土地柄で、地元の山林組合を信頼し、決められた工務店と工事単価が前提で紹介された構図の中で来られた方なので、私も余計なことはできず、依頼者も自分のそれまでの経験で判断できない設計者の提案には、今一つ乗れないのだろうと思われます。改めて設計者の役割とは何なのか、考えさせられます。
 今、個々人の経済格差や地域格差が想像以上に広がって来ていると言われています。世界がグローバル化して来て、資本主義の罠が如実に明らかになってきつつあるのではないかと感じています。トマ・ピケティーの21世紀の資本主義ではありませんが、つまり世界中の利益が一握りの数少なくない資本家に、級数倍的に集約し、その分中産階級や低所得者階級の収入が実質より低くなっていくという、根本的大きな構造が明らかになって来たということです。植民地や低開発国の経済成長、あるいは石油等の天然資源が高度成長を牽引できていた段階では、大多数の中産階級にも多少のお裾分けがあり、それほど問題視されずに来ました。それがグローバル化した世界の中では、先進国と低開発国との差益で得られるメリットがすぐに平準化し、さほど利益を生み出せなくなり、牽引できず、やむなく経営者は資本家や株主のために、下請けの中小企業や従業員、あるいは地方の支店や営業所から中央に利益を搾り取ろうとせざるを得ない構図が誰にも見えるようになって来ました。このような経済格差と地域格差を増大させる大きな構図の罠に、建築も巻き込まれ、どんどん収益を貪られて構造不況産業になり、従事者がどんどん転業していき、激減して来ている段階に、震災復興や東京オリンピック等で、公共投資がなされても、人手が無い以上、建設物価の異常な高騰をもたらすだけです。このように建築費が高騰している状況では、大資本に搾り取られて実質給与が下がっている、一般の中小企業のサラリーマン等には、親の土地での建て替えですら難しい状況になっています。
 この状況に嘆いているばかりではしょうがありません。今私どもの事務所では、全国の心ある賛同者と連携し合って、この構造を少しづつ逆転させるべく、資本主義の通常の構図に逆らって都会の住宅の建設物価を下げ、地方に収益を逆流させる仕掛けを、わずかずつですが試み始めています。内容をご説明したいところですが、それでなくても長過ぎるブログなってしまいましたので、詳しくは私どものホームページをご覧下さい。
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少しでも建築工事費を下げさせる構図ができれば、この坪庭のような、回りの空間を豊かにする設計者的工夫ができる余地も生まれます。藤原昭夫/結 設計 
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by npo-iezukurinokai | 2015-01-19 12:33 | 結(ゆい)設計 | Comments(0)

震災復興活動NHK放映お知らせ

森の貯金箱事業として、私も活動協力している釜石地方森林組合の震災復興活動について、NHKで放送されます。
「TOMORROW 復興は森から~ “地元木材”住宅プロジェクト ~」
NHK-BS1
10/29・11/5 14:00~14:28
再放送
11/2・11/9 4:00~4:28
「明日へ ~森が支える東北の復興(仮)~」
NHK総合
11/16 10:05~10:53
家づくり学校でも皆と一緒に見に行った、仮設住宅の工法が進化して、復興に少しづつながら役に立っている話もでてきます。その後の復興で地元の方々の頑張っている状況や会のメンバーの活動の多様性を知って頂くためにも見て頂けたら幸いです。藤原/結 設計
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by npo-iezukurinokai | 2014-11-03 00:53 | 結(ゆい)設計 | Comments(0)