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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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Q & A 雨漏りについて

Q:現在、実家の両親と二世帯住宅を建てるべく、某工務店と設計の打ち合わせを進めています。
先日、担当の設計士さんから、木造住宅の雨漏りはめずらしくないという話を聞き、不安になってしまいました。

松澤さんの思いに反する質問で恐縮ですが、木造住宅は雨漏りしやすいのでしょうか?どう対処したらよいのか、教えて下さい。よろしくお願いします。

A:雨漏りは当たり前?? 
雨漏りは法律で10年補償になりましたよね。でも、工務店の設計士さん?の言っている意味は、雨漏りがする事は有っても、そんなに心配要らないよ・・・という意味かな?って思います。

確かに昔のように(ご存知か分りませんが)天井からポタポタ雨が漏って、洗面器や食器が家中に置かれる・・・なんて風景は無くなりましたが、壁の中やサッシの周りなど見えない雨漏りは結構あります。

また、台風の時など雨が下から上に降ったりもしますので、思わぬところから雨が漏ったりもします。細かく説明するにはお会いしないと難しいのですが、壁の中などに雨が入っても、出て行くような造りになってる場合が多いので、逆に下から入ってしまう?なんて事もあります。

家を造る時に隙間を無くす事もしますが、逆に隙間を開けて雨水を逃がしたり、壁体内の湿気を出したりもします。・・・話しが分らなくなりましたね?このように雨漏りの可能性はいろいろありますが、致命傷にならないように、施工者も設計者も工夫しています。雨漏りは許されるものではありませんが、確かによくあります。木造に限らず鉄骨造でも。

珍しくない雨漏りでも、しっかり修復する事は必要ですし、その雨漏りで家の耐久性や性能に影響が有ってはなりません。その設計士さんが正直な方なのか?言い訳してるのか?分りませんが、もう一度良く話を聞いて下さい。雨漏り対策についてしっかり話しが出来ないようなら、ちょっと心配です。

私達建築関係者は、いろいろな経験を積みながら、細かな納まり(作り)を決めています。決して、絶対に雨漏りはしません!とは言えませんが、そのように努力しています。工務店なら板金業者との付き合いの中で、いろいろ工務店独自の納まり(作り)を研究していると思います。聞いてみて下さい。屋根の端部(あらゆる隅っこ)、屋根と壁の継ぎ目、サッシと壁など、違った物の接点で、雨の当たる所は全て注意箇所です。

私も雨は漏ります・・・って言います。でも、漏らないようにいつも研究?しています。でも、目に見える雨漏りは台風以外では無いようにしたいですね。目に見えない雨漏りは、実は建物の構造や性能に大きな影響を与える可能性がありますので、雨が入っても出て行くような、2重3重の安全策が必要だと思っています。

説明になっていませんが、納得いくまで話を聞いてみて下さい。説明が出来ないようなら、担当を代えてもらいましょう。不信感を持ったままの家づくりは、お互いに良い事が有りませんので・・・。

今日の質問の答えを書いた人
  →NPO法人 家づくりの会所属建築家 マツザワ設計/松澤静男

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by npo-iezukurinokai | 2005-06-22 07:51
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