今週の担当の菊池です。
ブログの担当は、日頃の仕事をお伝えできる良い機会なのですが、毎日の仕事に追われてついに週末になってしまいました。
今日は 昨年の夏から始まった有形登録文化財に一昨年登録された洋館付住宅の保存修理の様子をお伝えします。
竣工は昭和7年(1932年)。今年80歳を迎える建物です。
横浜には中廊下型で和室の続き間のある和館の隣に6〜8畳の洋間が付いている住宅がまだ残っています。この様なスタイルの住宅を私達は「洋館付き住宅」と呼んでいます。大正時代から昭和の戦前までに多く建てられました。
一間洋館は応接間、書斎、子供の勉強部屋等々、その時々で住人の暮らし方に合わせて使われてきました。
現在、保存修理が行われている洋館付き住宅も80年間にはいろいろな人達が暮らしてきましたが、今の当主の出来るだけ昔のままの姿を残しておきたいという思いで保存修理工事が実現しました。
以前から洋館と和館の接続部の雨仕舞いの悪さから雨漏りが生じで、洋館の壁を傷めていました。また地盤の関係で南側に傾いてきていました。
今回は 耐震性を向上させることも目的でしたので、基礎を現代の工法でしっかり造ることにしました。それには 家を上げて基礎工事をすることになりました。
写真はその様子です。
上げ家の初期段階 レールを入れて行きます

1.8メートルまで上がりました

基礎工事で配筋をしたところ

ベタ基礎完了

下げ家の様子

無事下げ家完了
この家は 現在の洋館のコロニアル葺きを 竣工時のフランス瓦に葺き替える工事もしました。
フランス瓦は以前著名な方の家に使われていたものを譲り受け、私達が掃除をしました。
瓦の刻印には製造の頃を推測する手掛かりがあります。
瓦掃除 平瓦430枚のホコリ取り
フランス瓦に葺き替え 棟にはパルメット瓦が付きました
工事は3月一杯で完了しなければばりません。現在、左官工事中。