

それまでの「家が暗い感じ」を私たちなりに分析しました。
既存平面図を見ると、典型的な中廊下型のプランで、廊下をはさんで南北に居室があります。もともと人通りの多い環境ですから、居室の方はどうしてもカーテンを閉めっぱなしにしてしまいます。
(前回写真参照)そして、中廊下にも自然光が入ってこない。結果として、居室も廊下も暗いことになってしまうのだろうと考えました。
この案件はリフォームですから、構造の関係上そう簡単に中廊下を変えることはできません。そうすると、この中廊下にプライバシーを守りつつ光を取り込む方法はないものか、そして、何らかの遮蔽アイテムを道路と居室の間に組み込んでカーテンを開けっ放しにできないかと考えだしました。
外部に目を向けると、前面道路は人通りも多く、それまでの家は玄関扉を開けると通行人と目が合ってしまうような関係でした。
道路から玄関へダイレクトにアクセスするのではなく、適度な遮蔽をして、曲がり込んで入った方がプライバシーを守れるのではないだろうか。
外からの遮蔽ができれば、逆に隣接するリビングと一体化して、子供たちの遊びまわるスペースを広げるという考え方もある。。。
どうやら「遮蔽」がキーワードになりそうだ。
そして、生まれてきたのが「アウタールーム」と名付けた、リビングに隣接した玄関前の空間です。(つづく)
写真(上)は格子戸越しにアウタールームを見たところ
写真(下)は増改築後の1階平面図
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白崎泰弘/シーズ・アーキスタディオ (NPO法人家づくりの会所属)