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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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いったい何℃あるのか?

今週は杉浦が担当させていただきます。

昨日辺りからお盆休みをとられている方が多いのではないでしょうか。
大変異常な暑さとなりましたが、皆様、家族サービスや趣味にハリキ
リ過ぎて熱中症にならないように充分お気をつけ願います。

十数年前までは暑いとはいっても気温が体温を超えるようなことは
あり得ませんでした。そう考えてもこのところの熱帯化するような、
著しい気候の変化には驚かされます。

 「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる
  所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪え難き事なり」

これは鎌倉時代末期の吉田兼好による「徒然草」の一節ですが、日本
の住宅のありかたを端的に表現してます。

冬は厚着等で暖をとれるので、家は特に夏季の暑さや湿気に配慮して、
機密性よりも風通し考えるべきであると。隙間があったほうが良いと謂
わんばかりです。

ふと我が家の外壁を触ってみたところ、明らかに体温よりも熱く感じます。
しかもここは北側面で少し窪んだ部分のために陽の全く当たらない壁面
です。

試しにその部分を温度測定器を用いて実測してみました。
ちなみに外壁は左官仕上げ(リシン掻き落とし)の外側断熱の仕様です。
その結果はなんと45.2℃もあります!
いったい何℃あるのか?_d0021969_173433.jpg

尚、板張りの部分でも42.6度という結果です。
いったい何℃あるのか?_d0021969_1752333.jpg

※こちらは言う事を聞かない娘の手です(苦笑)

直射日光を受けずとも、熱容量の高い外壁材に熱が蓄積してしまうのか、
陽を受ける部分から伝わってくるのか、道路や近隣壁からの照り返し等の
輻射熱を受けるためなのか、気温よりも高い温度を示すことに驚きました。
(放射熱?熱放射?大気がそれを緩和しているんだと後で考えました)

また、直射を受ける場合は、リシン壁よりも板張りの方が表面温度が高い
ことも分かりました。断熱効果が高い(放熱しない)ということが解かります。

ちなみに西日のあたっている近所のコンクリート打ち放しの建物の外壁
は60℃にまで上っており、エアコンをかけていない場合は室内壁の表面
温度が40℃を軽く超えてしまうのではないかと推測します。

ちなみに我が家の西日のあたる部分の内壁の表面温度は31.3であり、
熱射を受けている木造壁面部としてはまずまずではないかと思いました。
いったい何℃あるのか?_d0021969_1762032.jpg


しかし、ここまで気温が上昇しますと、夏を旨とした設計であっても、
窓を開けても熱風が入ってくるに過ぎませんね…

風通しはもちろんのこと、一度冷やしたり暖めた室内の空気の変動を極
力抑えるための「断熱」,「機密」,「換気」というキーワードがますます重
要視されると思いました。
結果的にランニングコスト及び、大幅なCO2の削減につながります。


(杉浦 充/充総合計画)
by npo-iezukurinokai | 2013-08-12 17:22 | 杉浦 充 | Comments(0)
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