円覚寺舎利殿見学後、急きょ予定に加えられた東慶寺ギャラリーでの手嶋保の家具展に立ち寄り、AM12:00ジャスト、予約していたタケル・クインデイチ着。平屋日本民家での本格的イタリアン料理を楽しむ。ゆったりとした素敵な時間に、30分の大幅な時間超過、予定の東慶寺散策を省略し、建築家白井晟一設計の庫裡のある浄智寺に向かう。
白井晟一の設計した住宅「呉羽の舎」は彰国社刊「木造の詳細、3住宅設計編デイテール別冊」で良く知られている。この本をバイブルのように大切にしている建築家に私は何度か出会っている。
低めに押さえられながら抑揚のある天井高、水平に広がるおおらかで骨太な空間、そのデイテールは、独特な世界観を秘めていると見えるけれど、他の作品も含め、住宅と言うプライベートな世界故に、なかなか、立ち入り体感する機会は無かった。
今回の浄智寺庫裡の見学は、住職朝比奈さんの、「接客部分だけなら」との特別なご好意で実現した。白井晟一最晩年の作品である。
その空間に、自らの身体を置いて、全プロポーションを実寸大で体感することが出来た貴重な時間であった!

8畳2間続きの北側の和室を見る。

和室から広縁越しに庭方向を見る。低めに押さえられた天井高、水平に広がる空間に対しての開口寸法、桟割り付け等のデイテールのプロポーションが独特である。
手前和室間間仕切りふすまの延長上に本来ならあるべき広縁開口を分ける柱が微妙に右にずらされ、ふすまに隠れている。この写真では読み取りにくいが、庭に面する引き違いガラス戸の位置や割り付けが、2つの和室それぞれの踏込に立つ時、欠けることなくきれいに見えるように微妙に正常の位置からずらされ調整されていたのだ。
野口泰司/野口泰司建築工房
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