東京メトロ有楽町線の要町駅を降り、山手通り沿いを5分くらい歩くと、アントニン・レーモンドによる、カトリック豊島教会(聖パトリック)があります。
アントニン・レーモンドはF・L・ライトのタリアセンで建築を学び、帝国ホテル建設の際に来日し、その後日本に数多くのモダニズム建築を残した建築家です。日本で多くの作品を残しましたが、とりわけ教会建築が多く、関東周辺だけでも見ごたえは十分なはずです。
1950年代、東京で「聖アンセルモ教会」「聖オルバン教会」「聖パトリック教会」を設計しました。その一つである豊島教会は、コンクリート打放しによる表現が特徴ですが、聖堂内は厳かな雰囲気で、あたたかみを感じる場所になっていました。
ガラスをはめ込んだ開口部が、太陽の光を受けて美しい光の空間を演出しています。
昨年見たオーギュスト・ペレのノートルダム・デュ・ランシーからの影響、東京女子大のチャペル、そして1950年代に建てられたこれら教会と、その規模はそれぞれ違いますが、レーモンドの教会建築の変遷をわずかですが感じることができました。
ノートルダム・デュ・ランシー
東京女子大学チャペル
豊島教会
今回、何気なくふらっと立ち寄ったのですが、こんな身近なところにも、目立たずひっそりとですが、素敵な建築が佇んでいます。
池袋周辺では、自由学園明日館~立教大学キャンパスのレンガ校舎群~豊島教会といった具合にぶらぶら散歩するのもおすすめです。
宮野 人至 ㈲宮野人至建築設計事務所