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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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音楽は・敵・超えられる

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『音楽は・敵・超えられる』と題して、指揮者・ピアニストのダニエル・バレンボイムの年明け来日公演を前にしての彼のインタビュー記事が朝日の文化欄に大きく取り上げられています。
ここでバレンボイムは、「ワーグナーに限らず、大戦中、様々な政治的メッセージをまぶされてしまった不幸な芸術は、どの国にもある。そうした思惑から解放し、純粋に新しい耳で聴きなおす動きを若い世代に導いてもらいたい」・・・・・・・・・
「多くの国がいま、過去との向き合い方に関して問題を抱えている。多くの場合、原因は(愛国)と(国粋)を混同していること。・・・・・本物の自信と誇りは、他者との比較からは決して育ちません」と述べた後、アルゼンチン生まれのユダヤ人の彼が、16年前にエドワード・サイードとともに創設した、ウエスト・ディーバン・オーケストラは、イスラエルとパレスチナの若者で構成されています。
「敵である人の隣で、同じ曲を1日練習したとしましょう。終わるころには敵という感情はなくなっている。政治には不可能なことが、音楽では可能になるのです。」・・・・・
2001年イスラエルでの公演で、アンコールにワーグナーのトリスタンとイゾルデの前奏曲を演奏して波紋を呼んだ。「私はタブーに挑んだわけでも、タブーを打ち砕きたいと思ったわけでもない。ワーグナーを過剰に避けることも、ナチスが音楽を政治利用した歴史をおのずと継承することになってしまう。私にとって大切なのは、好きな音楽に好きなように感動するという、人間として当然の権利を守り抜くことなのです」と熱く語っています。
来日公演では、シュターツカペレ・ベルリンと、大曲ブルックナーの九つのシンホニーと、モーツァルトの後期ピアノ・コンツエルトの六曲を弾き振りするプログラムです。
73歳になったバレンボイム曰く「作曲家には四つの種類の人々がいます。面白くない作曲家。面白い作曲家。偉大な作曲家。そしてモーツァルト」と語り、次のように述べています。
「モーツァルトは誰にも比すことができない。全ての音が当たり前のようにそこにある。いつ演奏しても、すべてのフレーズが、その瞬間に生まれたかのように響く。自分のいるべき場所へと常に連れ戻してくれる存在です」と名ピアニストだからこそ言える真実だと私も同感です。

私にとって以前のバレンボイムのモーツァルトは、どこか見えないところで重厚な骨格が、後に来るベートヴェンを彷彿とさせてしまう思いが湧き上がり、名演奏とは解っていたのですがあまり好きになれなかったのです。しかし、このインタビューを読んでみて、70歳を過ぎたバレンボイムが、どんなモーツァルトを聴かしてくれるのか楽しみになってきました。
十文字 豊/アルコーブ・U

by npo-iezukurinokai | 2015-12-17 13:38 | 十文字 豊 | Comments(0)
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