将来も含め、現在、住宅にとって、何が最適な材料かと問いつめると、やはり「木」に辿りつきます。
大気圏的な広がりの中でいえば、このところテレビや新聞でとりあげられ多くの人達の関心事になってきつつある大気中のCO2の増大によっておこる地球温暖化の防止に、「木」は自らの中に大量のCO2を固定することによって、応えます。
地球的な規模、あるいは地域的規模においても、「木」は自然循環再生し、地球に負荷をかけず永久に枯れることのない、まさに他に比類のない素材であり、「樹」の段階では山や森の生態系を守り、治水にも貢献します(人工林の場合、その手入れが前提になりますが)。
家、材料、人のスケールにおいても、その断熱性、調湿性、匂い成分の人の健康への有効性、加工性の良さ、対強度比重量の軽さ、動物としての人との歴史的相性の良さなど、これも他に比類すべきものが無い多くの特性を備えています。
私自身は、20年ほど前、日本の気候風土への適応性という観点から、柱・梁を露出する「真壁構造」を住宅設計の中心に置くことを決め、8年ほど前、上記の「木」の特性を再認識し、さらに壁などの仕上げにも「木」を多用する「木の家」シリーズへの取り組みを開始しました。
一般には、真壁構造の家を「木の家」と呼んでいますが、私の場合、さらに、より意識的に「木」を多用したものを「木の家」としています。
「木の家」シリーズもさらなる段階に進めたいな、と思っています。
「木」の世界も、やはり奥深く、個人的にも、この世界全体でも、まだまだ、知らなければならないことが、山積みです。
「木」に強い興味を持つ「NPO法人家づくりの会」の仲間と、今年の夏、「木の研究会」を立ち上げました。
先週末の会合+忘年会で、やっとエンジンもかかってきました。来春あたりから、大ブレイク?しそうです。
1月19日(土)、その「木の研究会」で
「木の構造、強度、耐久性」をテーマにした一般向け講座を開催します。
引き続き1月27日(日)私の工房で設計した住宅
「夫妻の為の 2つの趣味のコーナーを持つ家」の見学会があります(勿論、「木の家」です、写真)。
興味御座いましたら、是非、参加ご予定頂ければ幸いです。
野口泰司/
野口泰司建築工房
(
NPO法人家づくりの会所属建築家)