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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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黒楽の長次郎

 湯河原で仕事をしていた時の話です。尾形光琳の紅白梅図屏風を見ようと、友人と二人で熱海のMOA美術館を訪ねたことがあります。いくつもある展示室を見た後、とある展示室に足を踏み入れた時、何気なく見渡した右手の奥のほうに何故か吸い寄せられるように見た一点を凝視すると、茶碗がひとつ目に付き他には目もくれず近寄ってみると、なんと長次郎の黒楽茶碗がありました。私は長次郎の楽茶碗が大好きで、まさかMOA美術館に長次郎があるとは知らず大変びっくりしたものでしたが、初めて見る「あやめ」と銘打たれた鉄錆色のそれは素晴らしい黒楽茶碗でした。
 
 私は黒楽茶碗が大好きですが、利休が何故、茶室では死のイメージに通じると忌み嫌われる黒を敢えて長次郎に作らせて使ったか長年謎でしたが、ある年私なりに理解できるようになりました。
 
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 写真はちょうどそんな時に頼まれた山荘でしたので、黒く塗装した山荘を提案すると、施主からは大反対でしたが息子さんのとても面白いという意見でようやく実現した物です。この施主は、前回の厳島神社で載せた山荘の実物を見て、気に入ったこれと同じもので良いと言い、同じものは創れませんよと言うと、じゃ、その発展系で造ってくれと頼まれた施主でしたので、どこがどう発展系だと言う気持ちが強かったのかも知れません。実際、全く違いますから。

NPO法人 家づくりの会所属 小林英治建築研究所/小林英治

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by npo-iezukurinokai | 2005-06-05 08:08
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