安井 正/クラフトサイエンス(
NPO法人家づくりの会所属)
リノベーションでは、既存の構造体、基礎や柱などを再利用するため建物の大枠は変えられないことになります。
改修のプランを考えていくときに、かなり自由に考えるようにしているのですが
建物の大きなフレームは変えられないので、そこが新築と違って
リノベーションの設計上の大きな制約になります。
でも、仮に建替えるとしても、既存の建物と同じようなフレーム、つまり敷地内の配置や全体のボリュームがあまり変わらないとすれば、リノベーションならば新築の1/2から2/3程度のコストで同程度の機能やデザインのものが得られるといってもよいと思います。
そのコストの差の主なところは、構造強度の信頼性が高いか低いかの差にあると、私は考えています。
もちろんリノベーションでも、木造2階建てであれば壁量計算などの、現在の建築基準法上の構造強度を満たすように設計しますし、耐震改修の助成金を行政から受ける場合は、ある基準に基づいた耐震診断をして、地震時の倒壊のおそれはないというところまで性能を上げていきます。
しかし、それはあくまでも机上の計算のはなしで、その計算どおりの性能を現場で実現できるかどうかは、現場での監理がとても重要になります。新築以上に現物をにらみながら、痛みの状態や建設当時の仕様を見極め、丁寧に手を加えていく配慮が必要になります。
写真は東京のある区で耐震改修の助成金をもらいました。
2/1にリノベーションの住宅見学会を開催します。
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