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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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クイケン四重奏団

このカルテットは、ベルギー出身のクイケン兄弟、シギスヴァルト(第1ヴァイオリン)、ヴィーラント(チェロ)の兄弟と、シギスヴァルト婦人ティアース(ヴィオラ)、フランソワ・フェルナンデス(第2ヴァイオリン)のメンバーで1986年に創設されています。

クイケン兄弟はブリュッセル音楽院卒業後、古楽の研究に進み、後にレオンハルトやブリュッヘンといった古楽研究とその成果に基づく演奏の大家とも共演し、今や古楽器演奏の第1人者として世界的に評価されています。

この4重奏団は、カルテット演奏史上エポックメイキングな存在であり、結成20年を過ぎて若い演奏家に多大な影響を与えています。弟子の日本人ヴァイオリニスト・寺神戸亮によれば、これから紹介するハイドン・セットのような、モーツアルトの精緻な室内樂の再現は、デリケートな古楽器には至難の技であり、和音や転調をきちんと再現するだけでも大仕事だと語っています。

根からの古楽奏者が集まり、古楽器(オリジナル楽器)を用い、現代の楽器団体に匹敵する芸術的成果を上げた、世界初の四重奏団なのです。

クイケン四重奏団  『モーツアルトの弦楽四重奏曲第14番~第19番(ハイドン・セット)』

モーツアルトは、生涯で21曲の弦楽四重奏曲を書いています。ここで取り上げるハイドン・セットは、その後の2曲のプロシャセットと並び、傑作の誉れ高い名曲です。

25歳になった青年モーツアルトは、故郷ザルツブルクからウイーンに出てきて間もなく10年ぶりに出版された、ハイドンの弦楽四重奏曲に衝撃を受け、音楽上の偉大な師との遭遇を認め、早書きの筆を止め、2年がかりでようやく完成したのが、この6曲の弦楽四重奏曲です。

モーツアルトは出版に際して、表紙の真ん中に作曲者名と同じ大きさで献呈者ハイドンの名を入れさせたうえで、24歳年上のハイドンに対して、深い敬愛の念を込めた献辞を添え、その中で「わが最愛の友」と語り、この曲集を「長く困難な苦労の果実」と述べ、さらに、この曲を自らの子供にたとえて、ハイドンの「庇護と指導のもとにあらんことを」と書き添えています。

これらの新曲は、ウイーンのモーツアルトの自宅にハイドンを招いて、1785年1月15日に演奏会が行われたと記されています。そこで大きな感銘を受けたハイドンは、同席した父、レオポルド・モーツアルトに「神と私の名誉にかけて申し上げる。あなたのご子息は、私の知る、あるいは評判で知っている、全ての作曲家のうちで最も偉大な方です。かれは優れた趣味を持ち、さらには、最も優れた作曲の知識を持っています。」と最大級の賛辞をのべ、その才能を激賞しました。

又、モーツアルト自身には、もう貴方に何も教えることがありません。貴方のこの作品は、遥かに私の書いた曲を超えていると即座に言ったそうです。

このように、大作曲家ハイドンは、実に誠実で、謙虚で実直な大人物なのです。

昨日紹介した、エルデーディ四重奏曲と、ハイドンが絶賛したハイドン・セットをクイケン四重奏団の名演奏で聞いてみてください。幸せな気持ちになること請合います。

なんと、このような名曲・名演のCDが千円で手に入るのです。このようなことに限って言えば、いい時代になりました。


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絵 : 有元利夫 「 春 」


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絵 : 有元利夫 「 転生 」


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絵 : 有元利夫 「 春 」





十文字 豊/アルコーブUNPO法人家づくりの会所属)

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by npo-iezukurinokai | 2009-04-14 10:10 | 十文字 豊 | Comments(0)
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