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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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カテゴリ:泉 幸甫( 37 )

滋賀へ Ⅳ 坂本その2

前回紹介した琵琶湖湖畔の町、坂本は比叡山のお坊さんの住まいがあったところ。
えっ?比叡山のお坊さんって、比叡山に住んでるんじゃないの?と思われるかもしれない。
僕もそう思ってた。
比叡山の山の中にいるお坊さんは修行中の人らしい。
山の上の生活は千日回峰などで知られるように「論湿寒貧」(ろんしつかんぴん)と言われる厳しいもの。
だから年を取って、体が弱ったお坊さんは下の温かいところに降りて住んだのが坂本。
山の上の方を「山坊」と言い、下の坂本を「里坊」と言ってたらしい。。
その坂本の里坊の街の石垣は、もちろん地元の穴太衆によって築かれたものだ。

その里坊の一つ「旧竹林院」を見た。
この庭がなかなか素晴らしい。
ランドスケープ的、庭園。

苔むした地面に美しい木漏れ日が落ちていた。


泉 幸甫/泉幸甫建築研究所


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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:44 | 泉 幸甫 | Comments(0)

滋賀へ Ⅲ

比叡山から琵琶湖に向かって降りると坂本という町に出る。
その坂本という街が面白い。
まず、明智光秀の居城があったところ。その坂本城は背に比叡山、前面に琵琶湖、現地に立ってみるとここが天然の要害を備え、たまた交通の要所で戦国時代、重要な拠点だったことがわかる。明智光秀は主君・織田信長を討ったことで、評判がよろしくないが、現地では、領民を愛して善政を布いたといわれる。
またこの坂本、街に行ってまず目につくのが、屋敷を囲うように綿々と美しい石垣が連なる景色。


実は今度の修学旅行の大きな目的の一つは、この石垣を見ることにあった。
坂本には穴太衆という石工集団がかつていくつもあったらしいが、現在は粟田純徳さんという親方だけがその技を引き継いでいる。
日本の城の石垣を直せるのはこの方しかいないらしい。
坂本の街の石積みを見ながら、栗田さんに石積みのことをいろいろと聞かせて頂いた。

実直そうな方で、深く石積みを愛し、その伝統を守ることの責任感を持っておられることをひしひしと感じた。
ところで、この粟田さんのところに、今年卒業したばかりの日大の教え子が弟子入りした。
そしてその子は何と女の子!
私、石工になりたい!という夢に向かって頑張っていたが、粟田さんの下でそのスタートに立つことができたわけだ。
今頃は、もう働き始めていると思うが、厳しい修行に耐え、日本の重要な文化の一つの後継者になってもらえたら、と願っている。


泉 幸甫/泉幸甫建築研究所


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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:42 | 泉 幸甫 | Comments(0)

滋賀へ Ⅱ

泊ったのは延暦寺根本中堂のすぐそばにある宿坊。
朝起きたら眼下に琵琶湖がわっと迫ってくる。
信長が比叡山を焼き払ったのは、叡山にはかなりの軍事力があり、見下ろす琵琶湖の水上交通を抑えてたらしい。
琵琶湖とその周辺の陸路は当時、交通の要所。

比叡山の山の上から見ると、なるほどね、とわかる。
信長叡山焼き討ちは、天下平定の野望の戦略上、そうせざるを得なかったのだろう。
凄いやつだった、と感心。

起きたら根本中堂に行く予定になっていて、
座禅でもさせられるのかと思ったが、
簡単な説教のようなものがあったのみ。
根本中堂は改修中。
確か中学の修学旅行できたはずだが、まるっきり記憶にない。
始めてきたようなもんだ。
この建物の断面計画が面白い。
信者が拝むところから、一旦3メートルぐらい下がった石畳になっていて、本尊はその上に、参詣者と同じ高さになるように安置してある。
こんなの見たことない。
でも、よく考えれば、お釈迦様の教えにはちょっとだけでも近いのかもしれない。

根本中堂が修復中だったことが、延暦寺は西塔がよかった。



泉 幸甫/泉幸甫建築研究所


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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:41 | 泉 幸甫 | Comments(0)

滋賀へ Ⅰ

「家づくり学校」には修学旅行があります。
毎年3月に行われ今年で7回目。
とっても楽しい旅行で、大体二泊三日。
建築が好きなもの同士の旅行は本当に楽しいもの。
1年目が愛知、三重。
2年目が秋田、青森。
3年目が石川、金沢。
4年目が京都。
5年目が岡山、兵庫。
6年目が高知、愛媛。
そして今年は滋賀県と、日本中を回る予定で、何時かは海外にも遠征したいと思っている。

まずは近江八幡の古い街並みを。

いろんなところに行っては昔の看板の写真を撮っていて、いつかまとめて発表できたらと思っています。
醤油屋の看板ですね。

おおー、何とも面白い破風。

そのほか、近江八幡はメンソレータムも製造販売していた、建築家ヴォーリーズの根拠地で、彼の家、かわらミュージアムなども見学。
夜は比叡山、延暦寺の宿坊に宿泊。
夜は遠くに夜景の灯がチラチラと見え、京都?かと思っていたが、朝起きたら眼下に琵琶湖が。

比叡山というと京都というイメージがあったけど、どちらかというと琵琶湖に面しているんですね。
琵琶湖の日本の歴史に及ぼした影響が、この旅行で段々と実感できた。


泉 幸甫/泉幸甫建築研究所


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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:39 | 泉 幸甫 | Comments(0)

ロマネスクを訪ねてⅨ バルセロナへ横道2

バルセロナで感銘を受けたのはサクラダ・ファミリアもあったが、もう一つ、古い建物のリノベーションがうまい!と感心したこと。
この旅行から25年たち、いまや日本でもリノベ流行り。
石造は寿命が長いからヨーロッパではリノベして使い続けることはわかっていたが、それは単に傷んだところを修繕して使い続けるだけでなく、既存を素材として扱い、さらに良くなるようにしていること。
創作とも言っていいくらいの関わり方を建築家はしている。




ここでまた本の紹介。
最近のリノベ流行りは、新築がなくなって建築家がリノベに仕方なくはしらざるを得なくなったきらいがないでもない。もちろんそれはそれとして、既存の建築をスタート地点と考えることで、さらにより豊かな建築を作れる可能性がある。
そんなことを書いたいい本が出た。

時がつくる建築: リノべーションの西洋建築史

時がつくる建築: リノべーションの西洋建築史

  • 東京大学出版会
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歴史家がリノベについて書くとどういうことになるか、まずはそれに興味があったが、歴史家が書くことでよりリノベの意義があらわになったのではないか。
建築家の仕事の新しい位置づけの可能性。

泉 幸甫/泉幸甫建築研究所

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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:38 | 泉 幸甫 | Comments(0)

ロマネスク Ⅷ バルセロナへ横道1

昨年11月から中断していた「ロマネスクを訪ねて」です。
前回まではサン・ギレム・ル・デゼール修道院のあるギレムまででした。
ニースから車で走り始め西へ、西へ。
いつの間にかスペインとの国境近くまでやってきた。
じゃー、ここまで来たんだから、ついでにバルセロナもちょっと見ようじゃないかということになった。
ヨーロッパは国境の検問がほとんどないから、また車での旅行だから気ままにコースを選択することができる。
バルセロナと言えばガウディ。

同行者はガウディが好きだという人、ちょっとね、という人様々。
この旅行で行ったのは1993年。
まだサクラダ・ファミリアの工事はそんなに進んでいなかった。あれから25年経つが、ものすごい勢いでサクラダ・ファミリアの工事は進んでいる。
https://www.youtube.com/watch?v=RcDmloG3tXU
完成が2026年というからあと8年。
サクラダ・ファミリアを知ったのは大学生の頃だったが、完成まであと何世紀かかるか分らないと言われてた。
それがこれほど急ピッチで工事が進んでいるのは、観光客による収入の増大、超高強度コンクリートの開発、3Dプリンターなどの先端技術でモデリングが可能になったことによるらしい。
早く完成を見たいものだが、そんなに早く完成しなくともいいような気がもする。
技術の進歩が必ずしも美しいものを可能にするとは言えない。
むしろ逆な場合が多い。
ガウディ―が生存してた時に作られた「生誕の門」の部分は素晴らしいが、なにやら段々と、緻密さが遠のいているような気がする。

ガウディが生存時に、神は完成をお急ぎにならない、と言ったとか。

泉 幸甫/泉幸甫建築研究所

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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:36 | 泉 幸甫 | Comments(0)

日本一の大仏に願掛け Ⅳ 佳水園その2

「佳水園その1」の続きです。
村野さんのテクの一つに、
何でもベターッと最後までやらずに途中で止める、ベターッとなど、そんな品のないことはしない、というのがある。

角の窓の下に壁があるのとないのでは大違い。
横から見ると、

さすが、というより他はない。
よく見ると、他の足元も全部透かしてある。
中はどうなってるんだろうと思って、上がってみたらこうなってた。

崖を登るときの足元は曲がった木を使い、同じように透かしている。

村野68歳の作、気合入ってる!


泉 幸甫/泉幸甫建築研究所


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by npo-iezukurinokai | 2018-04-26 19:33 | 泉 幸甫 | Comments(0)

石造りのように柔軟な

紹介せずにはいられない、「石造りのように柔軟な」という変わった題名の本です。
この本は北イタリアの伝統的集落、建物の調査報告書みたいなものだけど、ちっとも堅苦しくはない。
へー、そうなのかと、新しいものの見方が散りばめられている。

それにしても、なぜこのような本が東洋の果ての日本で翻訳されたのか、読んでみてよく分った。
近代化によって人間と環境のなじみ深さが失われつつあることへの喪失感には、今や絶望感すらあるが、それはイタリアでも同じことらしい。
ヨーロッパの国々は日本に比べたら、まだましだと思っていたがが、そうでもないらしい。
ところでこのような本は、ややもすると牧歌的なノスタルジアに終わることが多い。
しかしこの本はかつての集落のありようをきわめて冷めた目で、なぜこのような形態になったかを実体の観察の中から解き明かしている。
北イタリアの美しい景観が表層的な理解では解き明かせないもので、実は日常の人間の生存と環境との深いかかわりのリアリティーの中から生み出されたものであることを理解させてくれる。
それは、美しさと生活のリアリティーとの関係、この問いへの解明を一歩進めさせてくれるかもしれない。


d0021969_15375753.jpg石造りのように柔軟な: 北イタリア山村地帯の建築技術と生活の戦略
  • Andrea Bocco,Gianfranco Cavagli`a,多木 陽介
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この本を読みながら、じゃー、現代の僕たちは建築や街づくりをどう考えたらいいのだろう、と思った時に、やはり帰り着いたのがこの本。
この本も生活のリアリティーに根差している。
名著中の名著ですね。

d0021969_15384390.jpgパタン・ランゲージ―環境設計の手引
  • 平田 翰那
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  • 価格¥ 10,584(2018/02/08 12:28時点)
  • 発売日1984/12/05



またもう一つ、日本の美しい茅葺屋根が人や地域とのかかわりのリアリティー中から生まれたものであることを解き明かした名作がある。

d0021969_15384912.jpg新版 茅葺きの民俗学―生活技術としての民家―
  • はる書房
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興味のある方は、http://www.izumi-arch.com/blog/9083/から…
泉 幸甫/泉幸甫建築研究所

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by npo-iezukurinokai | 2018-02-08 15:47 | 泉 幸甫 | Comments(0)

日本一の大仏に願掛け Ⅲ 佳水園

京都は「都ホテル」に泊まる。
都ホテルというのは昔の呼び名で、今は「ウェスティン都ホテル京都」という名前に変わっている。
都ホテルの離れに数奇屋の「佳水園」(かすいえん)がある。
設計は村野藤吾、1959年竣工。
築50年以上になるが、チッとも古くならない。
もともと村野藤吾は戦前よりこの都ホテルの設計にかかわっていて、佳水園だけでなく、ホテルのいたるところに村野ワールドがある。

しかし何といっても佳水園は村野の代表作の一つでもあるから、特別なもの。


村野さん68歳の時の作。
村野さんは93歳まで仕事をし続けた人だけど、一般の世界から言えば68歳になると仕事から引退した人がほとんど。
村野さんにとって68歳は青二才だったのかもしれない。
エネルギーに満ち溢れた仕事だ。
勿論、才能もあるのだろうが、気力、イメージが漲り、それが設計に乗り移らないとできない建物だ。
設計をする者から見ると、村野がこの建物の設計にどれだけ渾身の力を注いだかが見えてくる。

実はこの建物を見るのは3度目。
以前は見えなかったが、今回始めて見えてきたものがあった。
村野の作り方というか、やり口というか、そういうものがいくつか分析的に掴めた。
あー成る程、こうやると村野の世界は作れるのかと。
で、それは何かと言うと、申し訳ないがヒ・ミ・ツ。
ただ少しだけ開示すると、一つに隅や端の扱い方に神経が行き届いている。
写真から探してみてください。

村野はこの佳水園の設計の頃から、今やっている仕事を人生最後の仕事と思いながらやり続けたらしい。
そのような覚悟が93歳まで続いたのだろう。
やはり、凄い。


泉 幸甫/泉幸甫建築研究所


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by npo-iezukurinokai | 2018-02-08 15:13 | 泉 幸甫 | Comments(0)

重きを負いし君が肩に…

今年の宮中で行われた歌会始の皇后さまの歌である


語るなく 重きを負いし 君が肩に 早春の日差し 静かにそそぐ


多くを語ることなくただただ行動によってのみ表現し続ける天皇をよんだ歌、何とも奥深い。

日本において天皇とはどんな存在なのだろう、とずっと思ってきたがよくわからない。
天皇、皇后の被災地への訪問の姿を見るたびに胸が熱くなる。
そのような感情がどこから、何故沸いてくるのか、本当に不思議だ。
天皇って自分たちにとって何なんだろう、といつも思う。
それは戦前の、「畏れ多くも畏き辺りにおかせられましては・・・」というのとはあきらかに違う。
むしろ、それは尊敬?なのか。
そうとも思うし、
一千何百年も、他国では見られないような存在が続いてきたこと自体に、何かがあるのかもしれない。
それは、日本人って、自分って何だろうという問とも同じなのかもしれない。
よく分らない。

で、最近読んだ本。
またまた内田樹さんの本です。
相変わらずの切れ味抜群。

d0021969_15592867.jpg

街場の天皇論

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泉 幸甫/泉幸甫建築研究所

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by npo-iezukurinokai | 2018-01-18 16:10 | 泉 幸甫 | Comments(0)