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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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カテゴリ:藤原 昭夫( 59 )

建築先導技術研究開発助成事業-2

今回の研究開発の要点は、木構造の建物を、使用後の解体時に、建築部材を、解体と再使用が容易にできるようにするにはどのような部材の仕組みと構成にすればいいのかを考える研究です。
それには、部材がレゴブロックのように同一素材で構成され、部材ごとに再使用できるようにするのが、解体と組み立てが容易になります。そのため、通常の木造軸組み工法では、柱、筋違、間柱、断熱材、外側に合板、防水紙、通気層、サイディング、内部に石膏ボード、クロス等の仕上げで構成されているものを、木材の塊だけで構成し、組み立て解体等の作業が容易に、使用材料の種類も少なくすることで、目的を実現することを考えました。
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上の写真の集会場では、4寸角の柱で構成し、パネル内外表しとしました。関東から宮城県までや三陸沿岸の温かい地域ではそれだけで必要とする断熱性能はほぼ満たせますが、、三陸の内陸部では足りませんので、外部に断熱材を貼り、仕上げ材を貼っています。
それで、柱と同寸の角材をボルトで連結し、無垢の壁パネルとし、杉材の持てるあらゆる性能を活用し、そのパネルだけで構造耐力、断熱、耐火、内外仕上げ等、壁が必要とする機能を満たそうとする考えです。
言ってみれば、何のことはない柱を並べただけの壁です。ログハウスの壁を縦にしたような、誰もが一度は考えたことのある構造です。何が先導技術なんだよ、と言いたくなります。
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ところが、ただ柱を並べてボルトで結合しても、杉は柔らかくめり込み、必要耐力が出ないのです。まして、杉は、木材でも一番燃えやすい材です。防火構造である、30分間、壁(3.6m×3m)の向こう側で、1000度で燃焼していても、こちらに火が来ず、点ほども見えず、温度も上昇しない、という条件をクリアーできないのです。その上、土台や桁(梁)にしっかり固定でき、しかも解体しようとすると容易に解体でき、再組み立て(使用)も容易にできないといけないのです。そうなってくると俄然難しくなります。
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それで、まず考えたのが、連結する柱の間に木ダボを数本入れて、ボルトで締め付け耐力を測ってみました。
応急仮設住宅で採用した方法です。正直この方法ですと、仮設住宅で必要とした程度の耐力は出るのですが、期待したほどではないのです。それでもう少し耐力の出る壁にしようと、いろいろなダボをはじめ、コッタ―など、様々な方法を試みました。
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土台や、桁との接合も、最初は木栓や枘等、色々な仕口を検討し、実験もしました。接合金物も独自に色々製作し、試してみました。なんとか、部分解体もできるようにしたいと、最後まで何とか実現を試みましたが、部分解体を考えると途端に困難が数倍になり、とりあえず今回はお預けにしました。
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防火構造も、単純に柱を連結しただけですと、木と木の隙間からすぐに火が通ってしまいます。燃えにくくするために、木が燃えると炭化し、それ以上は燃えにくくなる、燃え代耐火性能を活用して、30分間、何とか火が反対側に行かないようにしなければなりません。連結ボルトに火が入ったらすぐに反対側に火が到達してしまいます。下の写真は、耐火試験体を製作しているところ、設置前の試験体、炉に設置しているところです。
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30分過ぎて、試験体を取り外す瞬間と、とり外した試験体の燃焼面の状態です。
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今日、構造強度を出すための商品や防火用に接着剤を使用するとか、耐火も耐火シールなど使用すれば防げる製品は少なくありません。そのような製品を使用すると、量が量だけに、費用がとんでもなく増大し、それを設置する手間もばかになりません。今回の研究はなにより、できるだけ手間のかからない方法でパネル製作や解体組立が容易でなければ意味ありません。木の性能を活用して目的を達成しようとした志や技術屋としてのさがが、一緒に開発している者が、他の製品に頼ることは、安易ではないかと叫んで許してくれません。下の写真は、一緒に開発している森林組合の方が考えた、柱の数か所に同時に穴を開ける工作機械です。彼とも、行き詰って安易な方法を取ろうとすると、お互いいいんですか?とよくセリフを交わしていました。
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今日ここでブログでお話ししているのは、構造耐力が、12月に壁倍率の3.5倍弱の試験結果が出、2月8日に、30分の耐火試験をクリアーできたからです。さすがに、クリアーするまでは、できなかったことを考えると話す気になれませんでした。藤原昭夫/結設計
by npo-iezukurinokai | 2013-03-06 20:49 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

建築先導技術研究開発助成事業-1

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上の写真が、前回ブログで話した、釜石の森林組合の事務所モデル棟のFSB工法パネルの外壁の実物説明模型です。角材連結パネルの外部側に、白い防水透湿シート、青い断熱材のスタイロホーム、通気用押さえ縁、カラマツの下見板(雨がかりの一部は金属鋼板)の仕上げ材です。これまで、当事務所が続けてきた、このFSB工法の技術研究開発が、平成12年9月、国交省の建築先導技術開発助成事業に、岩手県森連との共同開発研究事業として採択されました。9月以降13年の2月までに行われる技術開発と、構造耐力壁の構造性能と耐火性能について、公的機関で行われた試験で、その性能を確認する作業にかかった費用の半分を助成するというものです。
前回ブログで話した、森の貯金箱事業を進めていく中で、FSB工法で釜石地方の被災地の再建住宅を建てようとすると、この杉の角材連結パネルでの工法で建てるには、在来木造軸組み構造の耐力壁として認定されていない壁なので、下記の写真のような構造実験の上、確認申請時に試験データを添えて、安全を確認した構造の許容応力度計算書を添えて提出する必要があります。
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また、殆どの市街地の敷地では、建物の外壁が必要耐火性能を有している必要があります。そのため、この工法の杉の柱の角材パネル表しのままで使用しても、必要な耐火性能を満たしていることを、下記の写真のような1000度の耐火燃焼試験の炉で、データを取りながら、試験をを行い、証明しないといけません。それでないと市街地で建てるには、外部にサイディング等の余計な外壁仕上げを施し、内部に石膏ボードを貼る必要が出て来ます。表しのままでその性能を満たせば、耐火性能を劣化させない材である限り、パネルの上に自由な仕上げができ、内部もパネル木材を表しにもできます。
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被災地での再建住宅は、建築を予定していた人でありませんから、建築費に向けらる費用はとても少ない方が多く、そのような方に対応できる建て方をしなければなりません。
これまで開発してきたFSB工法は、二酸化炭素の吸収固定とその延長を図ることのできる建築にすることで、環境の負荷を削減しようと開発してきた建築工法です。自分としては、さらに木材の持つ熱容量の高さと、調湿機能による自然で快適な居住性能の高さから、ある意味理想的な住宅の工法になる予感を持って開発していました。それがたまたま仕上げに新建材等を望まず、杉材表しで良ければ、かなり建築費を削減できる効果があることを、応急仮設住宅で証明され、再建住宅に最適だと、森林組合の方に認められて、森の貯金箱事業が始まりました。この事業を続けていくためには、どうしても構造耐力と耐火性能の公的確認が避けて通れないのです。次回はこの開発事業で行われた内容の話をします。藤原昭夫/結設計
by npo-iezukurinokai | 2013-03-05 21:00 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

森の貯金箱事業

家づくりニュースの表紙でも紹介した話ですが改めて詳しく紹介します。
今、釜石森林組合と岩手県森林組合連合会及び、遠野市のリンデンバウムという工事屋さんと、森の貯金箱事業を展開しています。
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そのいきさつは、昨年の東北大震災の被災者用応急仮設住宅(上記写真)の建設以降、そこで提案した工法(その後FSB工法と命名)が、岩手県森林組合連合会の方の目に留まり、盛岡市が寄贈する被災地の仮設団地の小さな集会所の建設工法として推薦され、山田町、大槌町、陸前高田市の集会所の建設に、設計者として協力したことから始まりました。


最初の仮設住宅の内部写真と下の内部写真を比較していただくと分かるように、同じ杉角材の内部表しの表情も、この集会場のように、必要なら節の少ない材を集めた仕上げにすることもできます。一軒の住宅のうちで、節があってもいい部屋と、きれいな表情にしたい部屋とを、上手に使い分けると、全体的にあまり価格アップにしないで、満足のいく仕上がりの家にすることも可能です。
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このような集会場を作っているときに、釜石地方森林組合の方にも、この工法が森林整備を促す可能性があるということで目にとめていただきました。組合の事務所の建設に際しても、この工法が推薦され、設計者として協力することになりました。
というのは、釜石の森林組合の4割の組合員の方が被災され、その再建住宅をこの工法で格安に作ってあげられないかとのことでした。その試験的意味もあって、まず組合の事務所を一階に、モデル住宅を二階に作りました。
それにはわけがあって、今、岩手県の森林整備を行おうとすると、丸太の1.5割がA材(建築用材)、7割がB材(合板用材)、1.5割がチップ材として産出されます。それが、今回の震災で岩手県にあった二つしかない合板工場が被災し、一社の合板工場は廃業し、宮古の工場は3割操業に追いやられてしまいました。それで今、B材の行き場がなく森林整備が滞っています。そのために釜石の森林組合はそのB材を、石川県や静岡県の合板工場まで運んでいる状況です。
それで、通常の木造より3から4倍の木材を使用するこの工法で、格安に住宅ができれば、今後必要とされる再建住宅に採用され、行き場のなくなったB材の活用の道を開くことになります。それで森林組合の事務所の二階を展示場にして仮設住宅で暮らしている皆に、見ていただこうと言うことです。


この工法での住宅の建築は、通常の在来工法で木材を約13立米使用する所を、約45立米使用することになり、それは1ヘクタールの森林整備をすると、産出する木材製品の全てに相当する量とのことです。森林整備をしない森と、した森とでは、その後約十倍の二酸化炭素の吸収固定量が違ってくるそうです。さらにその使用した木材を建築部材として、二度三度と使っていける工法にすることで、木材の生長期間以上に、二酸化炭素を固定し続けることになります。それによって始めて、木造での建築行為が環境の負荷削減に貢献できることになります。

この工法をFSB(forest stock in building)工法と名付け、この工法を活用する活動を、森の貯金箱事業として岩手県の森林組合連合会を中心に、釜石地方森林組合、工事施工を遠野のリンデンバウム、設計を結設計で、進めていこうとなりました。その延長でFSB工法の規格型住宅をいくつか考え、価格を決め、パンフレットも用意しました。それで、月一程度、釜石に定期的に通い、仮設住宅から見にこられた方々に説明をしてきました。昨年の11月頃、殆どの方に説明が終わり、一段落しました。今後、私は必要な時のみ行くことになります。これまで3棟程注文があり、春から工事が始まります。


森林組合の事務所の建設途中、この工法の壁パネルを活用して、遠野市や盛岡市のイベントで使用する子供用の滑り台を製作することになり、それもFSB工法で設計しました。イベントはさほど盛り上がらなかったのですが、滑り台の方は子供たちに大人気でした。この滑り台は、その様子を見ていたイベント関連の方から、新たな注文を年内だけで、二台も頂いたそうです。


暮れには、KDDIの社会還元事業で、釜石のバス停留所の屋根つきベンチを数
箇所寄贈するもので、FSB工法のパネルでつくりました。AU携帯電話器のマニュアル本を回収し、それを再生紙にすることで得られた利益を社会還元する事業ということで、KDDIの広報誌に小さくその写真が載っていました。


釜石に通い、仮設住宅に入られている方と色々話をさせていただきました。殆どの方は、自分の持っている土地は流された場所で、建築出来ない土地になっています。そのため自治体が交換地として供給する、山を切り崩した、高台造成地が出来るまで建てられないでいます。その造成計画も中央官庁が中央のコンサルと進めている状態とかで、遅れていて、「早く出たい!」という仮設住宅の住人の切実な声には、身につまされます。しかも、今、被災地では建設費はどんどん上昇していて、バブルの様子を呈しています。いざ建てられるときには、現在の何割増しになっているか計り知れません。理不尽の極みです。だからといって嘆いていてもしょうがないので、被災地だけでなく、関東いや全国どこでも、一般の建て主さんはもちろん、建築やさんにも、FSB工法で建てたいという方がいたら協力して、下のキャッチフレーズの元、広めていきたいと思っています。
「貴方が作る一軒の住宅が、1haの森林整備を促し、CO2による環境負荷を削減します。」

 参考までに、35坪程の住宅一軒を、FSB工法で建てていただけると、約45?の木材製品を使用することになり、1ヘクタールの森林整備を促し、40年で約30から40トンのCO2の吸収固定を増進させることになります。それで建築だけでなく、様々なものにも提案し、実践していく、「森の貯金箱事業」を森林組合の方々と一緒にやっています。その一環で、このFSB工法で、構造耐力や防火構造の研究開発に、国交省の先導技術開発助成事業に採択され、研究開発を進めています。次回はそのことを話します。藤原昭夫/結設計
by npo-iezukurinokai | 2013-03-04 20:29 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

釜石での個別復興住宅への提案

数回のブログに分けて書こうと思ってましたが、その余裕がなく、日が経ってしまい、今日になってしまったので、長くなりますが、ご了承下さい。写真もそれに比して多くなっています。

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上の写真はここ数箇月携わっていた釜石森林組合の事務所で、それを道路から見た写真です。先々週の金曜日は、その事務所再開の式典に出席し、土曜日と日曜日は、その事務所の上につくられた、復興用のモデル住宅のお披露目の見学会でした。設計者として、建物の工法や内容を見学に来られた一般の方へ、説明をする役割で行ってきました。釜石森林組合は震災前から日本でも先進的組合として有名でしたので、震災で流された事務所の再建は、県内だけでなく県外からも関係者に注目されていました。
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完成式典には多くの組合や役所関係者が120人ほど集まり、盛大に行われました。

事務所内部の写真です。
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土、日曜日の、一般の方のための見学会には、土曜日に50組、日曜日に80組の方が土砂降りの雨の中、見にこられました。来た方の8割りは未だ移転先の敷地が決まってないとのことでした。それなのに、これだけ多く来られるというのは、一刻も早く仮設を出たいとの想いからなのだろうと、建物の説明をしていてもその気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
被災地では資金的に余裕の有る方はもう既にメーカー住宅を建ててしまった感があります。これから建てる方は資金的に余裕のない方が多いとのことで、釜石の森林組合の方から、できれば、30坪で1000万円の住宅を考えてくれと言われ、工事やさんと協議しながら、これまで設計者の立場から開発してきました。被災者であること、敷地が釜石と大鎚町であることを条件にその単価で可能な規格型の住宅をいくつか用意しました。間取りによってはその単価の2〜3割増しになったのものもあります。

仮設住宅に入っている方も、この程度の費用なら自分の家を再建できるかも、と考えられる住宅を開発するのが建築関係者の役割だと説得され、始めましたが、これだけの方が見に来られたのを見て、やはり組合員の方の言っていたことが正しかったのかな、と改めて思わされました。

ただ設計者の自分に課されたのは、単に安いだけでなく、新建材の使用をを少なくして、木材を通常の住宅の倍以上の量を使った住宅にできないか、というものでした。
というのは、岩手県で森林整備をすると、建築向けのA材が1.5割、合板工場向けのB材が7割、燃料用にしかならないチップ材(C材)が1.5割、の割合で、どうしても産出してしまうとのことでした。岩手県に二つあるその合板工場が今回の震災で被災し、大船渡の工場は廃業を余儀なくされ、宮古の工場も3割操業になり、合板工場向けのB材がだぶついて森林整備が進まない状況になってしまっているとのことです。今、釜石の森林組合では石川県の合板工場までそのB材を運んで引き取ってもらっている状況だということです。そのためいかにそのB材を上手に活用した工法で住宅が出来るかも設計者に課されたテーマでした。

写真に出てくるモデル住宅の仕様は全てが30坪1000万円用の仕様だけではありません。というのは正直その単価だけで設計しようとすると、普段住宅を設計している者として、魅力有る住宅だ、と胸を張れる自信がなく、多少はオプション価格の仕様も混在させないと、見た方の殆どの方が、これなら作りたいと思っていただけるようにならない、と考えました。
つまり、単価も含め、その仕様や条件から生じたデザインが、仕方がないと思わせる、マイナス要因として見せるのではなく、その条件であるが故に、他所では出来ない魅力として感じさせなければ、つくる意味がないと思ったからです。

見に来ていただいた方の反応を観察していましたが、その意図は理解していただけたようで、オプションのアップ価格を提示されても殆どの方が、せっかく作るのならその程度の費用アップでもこのようにしたいとしたいといわれ、設計者として余計なことをした展示場にしたかな、と心配していましたので、ほっとしました。

B材の柱を立て並べ、連結してパネル化し、それを建て並べて壁にし、屋根パネルを載せ、外側に柱だけでは岩手県では不足する分の断熱材を貼り、その上に唐松の下見板を貼って外装材とし、内部は柱の無垢材をそのまま現しにした住宅です。もちろん内部にクロスを貼ることも出来ますが、まずは素地表しで始めてみませんか、というのが提案でした。考えようによっては、厚み10cmの厚板貼りは、調湿や熱容量からも、とっても贅沢な仕様でもでもあります。

柱連結のパネルを建て始めたところです。
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B材は4m材なので、建築材として使用すると余りが出てしまいます。歩留まり良く活用するために、壁面の中に余る1~1.5m材を入れ込んでパネル化しています。その切れ目が分かります。パネルは強度試験をして確かめていますが、もう少し強度のあるパネルにできそうなので、その連結方法を開発して、耐火実験をして、国交省の認定を得たいと考えています。
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桁と壁パネルを連結しているホールダウンパイプを固定するピンが桁付近に見えます。オプションのトップライトや当事務所得意の吸音小幅板天井も見えます。
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子供室の壁と天井です。本来基本仕様の二階天井は杉板ですが、クロスにした場合の見本に天井をオプションのクロスにしています。
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コーナー窓はオプションですが、これが有る無しでは内部空間の開放感がまるで違ってきますので、工事関係者には手間がかかり割高になると言われましたが、敢えて取り入れてみました。
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キッチンからの眺めです。窓の向こうに仮設施設が見えます。被災地の復興は未だこれからです。
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釜石でそれなりの評価をいただけるようなら、岩手県だけでなく、関東はもちろんのこと、各地の森林組合のためにも、施工していただける工事屋さんを探して、このような住宅もいいと言っていただける希望者に、供給できるようにしたいと考えています。結設計/藤原昭夫
by npo-iezukurinokai | 2012-06-23 23:55 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

上棟時の餅撒き

先月に十数年ぶりに上棟式で、餅まきをさせていただきました。

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回りには仮設住宅が多く散在しているところですが、五色の吹流しの布が鮮やかで、漁港独特の飾り物もあったりして、時には住民の方の多少の気晴らしにと、釜石森林組合さんの粋な演出です。

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釜石森林組合の組合員の4割が被災し、家を流されたということで、再建住宅はできればFSB工法で創ってもらいたく、参考にして頂こうということで、1階を組合の事務所に、2階を被災した方の再建住宅の参考展示場として、提案しようということになりました。その設計協力をしたものですから、組合の理事さん達と一緒に上から餅を撒く役をすることになった次第です
by npo-iezukurinokai | 2012-06-20 18:07 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

被災地報告

最近、東北大震災以降、三陸沿岸通いが続いています。
宮古と山田町に設計した仮設住宅の工法が森林組合の方たちに好評で、盛岡市が寄贈する仮設の集会所もそれでいこうとなり、山田町、大鎚町、陸前高田市の小さな集会場にも採用されました。

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その設計や監理で月に2,3回岩手通いが続いていました。
被災地は、町がなくなってしまったことが明確になった状態で、落ち着いてきた感じです。

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by npo-iezukurinokai | 2012-06-18 21:17 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

復興住宅にシェアハウスはないか?


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このような静かな海を被災地で見ていると、前から考えていたことが益々強く意識させられてきます。

津波で流されて家族の員数が少なくなった方が多くいて、しかも中高年の方が多いと聞きます。
若い方がこれを機に新しい家をつくるということはごく自然なことのように理解できます。
しかし中高年で子供も独立しているとか、一緒に住む若い家族もいずれ都会に出て独立するなど、
一人住まいになることが予想される場合、新しく家をつくることにエネルギーが沸くのだろうかと考えてしまいます。
そのような方にはむしろ、共同で使用する少し大きめな居間食堂及びキッチン浴室等を備え、それに個室群を付設したシェアハウスの方が孤独が癒されてよいのではないかと考えられます。
それぞれの個室にはミニキッチンとバストイレを有するようにします。
共同使用の居間食堂や廊下等は自冶体等公的機関がつくり、個室群は個々人がつくる方がスムースに社会に定着しそうです。
できれば個室は移設が容易な建築方法で建てられる方がよい気がします。
その方が、もしそこで気まずくなったら他の土地に簡単に移れるからです。

もしかしたら、このような住形式が移行して、グループホームに出来れば、スムースに福祉施設に移行可能になります。これは単なる被災地の特殊な住形式に留まらず、日本の新しい住形式や文化を提案することになるかもしれません。ただ正直、このような考え方をどのようにしたら現実化させることが出来るのかわかりません。みんなで少し考えてみてもいいのではないかと思っています。いい考えがあったら教えてください。

藤原昭夫/結(ゆい)設計  
by npo-iezukurinokai | 2011-10-14 13:03 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

三陸の海は静かでした。

3ヶ月ぶりに、仮設住宅づくりで通った三陸に行ってきました。
半年前は何だったんだというほど,海は静かでした。

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ある町に小さな休憩室をつくるということで、
その設計をすることになり、その敷地を見に行ってきました。
下の写真がその敷地です。

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450万円で9坪の休憩室をつくろうということです。
仮設住宅で試みた工法を改良して、それで何とかつくれないかと考えています。
敷地はキャンプ場そばで、そこには未だボランティアで来ている方たちの個人テントが貼られています。

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屋根にはソーラー電池パネルを載せ、
自前で電気を賄う建物とし、役目を終えたら他への移設も視野に入れています。
海は確かに静かで大人しくなったようですが、まだまだなんだと思い知らされます。
海側はこのように静かですが振りかえった背後には、まさにこれからだという風景が広がっています。

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藤原昭夫/結設計
http://www.yui-sekkei.co.jp
by npo-iezukurinokai | 2011-10-13 21:30 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

内覧会を行います

建物はうちの事務所でつくっている通常の住宅で、特別見せたいという珍しさがあるわけではありません。ですが、建築前の敷地を見ていただければ分かるように、検査を受けていない既存車庫が隣家の擁壁と接してあり、敷地は2mほど高いのに、高さ制限の道路斜線は道路面からかかっています。しかも老後のためのバリヤーフリーも希望されています。もちろん北側にも余裕はなく、北側斜線もかかってきます。地下室を設ければ平均地盤面が下がります。予算も土地取得があって、建築費は厳しく余裕ありません。敷地的にも法的にもややこしい問題を抱えた、まさに矛盾だらけの条件の計画です。

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建て主さんは8年前、「日野の家」の内覧会に来ていただいた方です。
その時は未だ土地がなく、土地探しから相談を受けました。
これまで、一緒に土地を見て検討した数は7,8箇所にはなるかと思います。

土地探しの相談からというのはよくありますが、さすがに8年越しは初めてです。
契約を交わしたわけでもなく、古くからの友人でもない限り、8年も変わらず双方の信頼感が全く揺らぐことなく一緒に探し続けられたというのは、もしかしたら稀有なことなのかもしれません。
下が建築後の写真です。

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依頼者と設計者の信頼は家づくりの中で最も重要なことです。
設計上の苦労話はもちろんですが、今回の場合、興味があるようであれば
信頼感によって家づくりはどう違ってくるのかというお話もできるかもしれません。
また、建て主さんに、なぜ8年も変わらず信頼し続けられたのか、
あるいはどんなことで失う可能性があるのかなど、もしかしたら建て主さんにも話を聞けるかも知れません。

藤原昭夫/結設計
http://www.yui-sekkei.co.jp
by npo-iezukurinokai | 2011-10-12 10:47 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

奈良の壁

今週のブログ担当の藤原昭夫です。
機会があって奈良の土塀の壁を見てきました。
私の設計する住宅の外壁は、奈良の土塀の表情を参考にして決めることがよくあります。

オーソドックスな表情の壁です。
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瓦を埋め込んで表情を作った壁です。
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ちょっと違って珍しい表情の壁です。
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壁が垂直ではなく、少し足元が出ぱって斜めであることが分かります。
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坂築風の作った表情の壁です。遠めコンクリート風にも見えなくもありません。
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新しい表情の壁と、古来の壁の対比です。
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左官壁一つとっても色々あるもんですね。

藤原昭夫/結設計
http://www.yui-sekkei.co.jp
by npo-iezukurinokai | 2011-10-10 20:03 | 藤原 昭夫 | Comments(0)