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”まちに出た、建築家たち。”ーNPO法人家づくりの会

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釜石での個別復興住宅への提案

数回のブログに分けて書こうと思ってましたが、その余裕がなく、日が経ってしまい、今日になってしまったので、長くなりますが、ご了承下さい。写真もそれに比して多くなっています。

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上の写真はここ数箇月携わっていた釜石森林組合の事務所で、それを道路から見た写真です。先々週の金曜日は、その事務所再開の式典に出席し、土曜日と日曜日は、その事務所の上につくられた、復興用のモデル住宅のお披露目の見学会でした。設計者として、建物の工法や内容を見学に来られた一般の方へ、説明をする役割で行ってきました。釜石森林組合は震災前から日本でも先進的組合として有名でしたので、震災で流された事務所の再建は、県内だけでなく県外からも関係者に注目されていました。
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完成式典には多くの組合や役所関係者が120人ほど集まり、盛大に行われました。

事務所内部の写真です。
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土、日曜日の、一般の方のための見学会には、土曜日に50組、日曜日に80組の方が土砂降りの雨の中、見にこられました。来た方の8割りは未だ移転先の敷地が決まってないとのことでした。それなのに、これだけ多く来られるというのは、一刻も早く仮設を出たいとの想いからなのだろうと、建物の説明をしていてもその気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
被災地では資金的に余裕の有る方はもう既にメーカー住宅を建ててしまった感があります。これから建てる方は資金的に余裕のない方が多いとのことで、釜石の森林組合の方から、できれば、30坪で1000万円の住宅を考えてくれと言われ、工事やさんと協議しながら、これまで設計者の立場から開発してきました。被災者であること、敷地が釜石と大鎚町であることを条件にその単価で可能な規格型の住宅をいくつか用意しました。間取りによってはその単価の2〜3割増しになったのものもあります。

仮設住宅に入っている方も、この程度の費用なら自分の家を再建できるかも、と考えられる住宅を開発するのが建築関係者の役割だと説得され、始めましたが、これだけの方が見に来られたのを見て、やはり組合員の方の言っていたことが正しかったのかな、と改めて思わされました。

ただ設計者の自分に課されたのは、単に安いだけでなく、新建材の使用をを少なくして、木材を通常の住宅の倍以上の量を使った住宅にできないか、というものでした。
というのは、岩手県で森林整備をすると、建築向けのA材が1.5割、合板工場向けのB材が7割、燃料用にしかならないチップ材(C材)が1.5割、の割合で、どうしても産出してしまうとのことでした。岩手県に二つあるその合板工場が今回の震災で被災し、大船渡の工場は廃業を余儀なくされ、宮古の工場も3割操業になり、合板工場向けのB材がだぶついて森林整備が進まない状況になってしまっているとのことです。今、釜石の森林組合では石川県の合板工場までそのB材を運んで引き取ってもらっている状況だということです。そのためいかにそのB材を上手に活用した工法で住宅が出来るかも設計者に課されたテーマでした。

写真に出てくるモデル住宅の仕様は全てが30坪1000万円用の仕様だけではありません。というのは正直その単価だけで設計しようとすると、普段住宅を設計している者として、魅力有る住宅だ、と胸を張れる自信がなく、多少はオプション価格の仕様も混在させないと、見た方の殆どの方が、これなら作りたいと思っていただけるようにならない、と考えました。
つまり、単価も含め、その仕様や条件から生じたデザインが、仕方がないと思わせる、マイナス要因として見せるのではなく、その条件であるが故に、他所では出来ない魅力として感じさせなければ、つくる意味がないと思ったからです。

見に来ていただいた方の反応を観察していましたが、その意図は理解していただけたようで、オプションのアップ価格を提示されても殆どの方が、せっかく作るのならその程度の費用アップでもこのようにしたいとしたいといわれ、設計者として余計なことをした展示場にしたかな、と心配していましたので、ほっとしました。

B材の柱を立て並べ、連結してパネル化し、それを建て並べて壁にし、屋根パネルを載せ、外側に柱だけでは岩手県では不足する分の断熱材を貼り、その上に唐松の下見板を貼って外装材とし、内部は柱の無垢材をそのまま現しにした住宅です。もちろん内部にクロスを貼ることも出来ますが、まずは素地表しで始めてみませんか、というのが提案でした。考えようによっては、厚み10cmの厚板貼りは、調湿や熱容量からも、とっても贅沢な仕様でもでもあります。

柱連結のパネルを建て始めたところです。
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B材は4m材なので、建築材として使用すると余りが出てしまいます。歩留まり良く活用するために、壁面の中に余る1~1.5m材を入れ込んでパネル化しています。その切れ目が分かります。パネルは強度試験をして確かめていますが、もう少し強度のあるパネルにできそうなので、その連結方法を開発して、耐火実験をして、国交省の認定を得たいと考えています。
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桁と壁パネルを連結しているホールダウンパイプを固定するピンが桁付近に見えます。オプションのトップライトや当事務所得意の吸音小幅板天井も見えます。
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子供室の壁と天井です。本来基本仕様の二階天井は杉板ですが、クロスにした場合の見本に天井をオプションのクロスにしています。
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コーナー窓はオプションですが、これが有る無しでは内部空間の開放感がまるで違ってきますので、工事関係者には手間がかかり割高になると言われましたが、敢えて取り入れてみました。
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キッチンからの眺めです。窓の向こうに仮設施設が見えます。被災地の復興は未だこれからです。
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釜石でそれなりの評価をいただけるようなら、岩手県だけでなく、関東はもちろんのこと、各地の森林組合のためにも、施工していただける工事屋さんを探して、このような住宅もいいと言っていただける希望者に、供給できるようにしたいと考えています。結設計/藤原昭夫
by npo-iezukurinokai | 2012-06-23 23:55 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

上棟時の餅撒き

先月に十数年ぶりに上棟式で、餅まきをさせていただきました。

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回りには仮設住宅が多く散在しているところですが、五色の吹流しの布が鮮やかで、漁港独特の飾り物もあったりして、時には住民の方の多少の気晴らしにと、釜石森林組合さんの粋な演出です。

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釜石森林組合の組合員の4割が被災し、家を流されたということで、再建住宅はできればFSB工法で創ってもらいたく、参考にして頂こうということで、1階を組合の事務所に、2階を被災した方の再建住宅の参考展示場として、提案しようということになりました。その設計協力をしたものですから、組合の理事さん達と一緒に上から餅を撒く役をすることになった次第です
by npo-iezukurinokai | 2012-06-20 18:07 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

被災地報告

最近、東北大震災以降、三陸沿岸通いが続いています。
宮古と山田町に設計した仮設住宅の工法が森林組合の方たちに好評で、盛岡市が寄贈する仮設の集会所もそれでいこうとなり、山田町、大鎚町、陸前高田市の小さな集会場にも採用されました。

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その設計や監理で月に2,3回岩手通いが続いていました。
被災地は、町がなくなってしまったことが明確になった状態で、落ち着いてきた感じです。

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by npo-iezukurinokai | 2012-06-18 21:17 | 藤原 昭夫 | Comments(0)

アナログコックピット(2)

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スーパーカブのコックピット。最小限の計器類と後から付けた、GPSナビ、かなりラフな感じの配置です。
GPSナビは、最近になり取り付け、地図無しで、飛行できるので便利であるとオーナーは言っていました。
大きな太いタイヤは、悪路でも離着陸できるようにしたもので、ここの滑走路は砂利敷きでした。
by npo-iezukurinokai | 2012-06-16 01:18 | 藤田 辰男 | Comments(0)

美しいアナログのコックピット(1)

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今週担当の藤田です。
今回はアナログのコックピットについて、話をしたいと思います。近頃は何でもデジタル表示になり、飛行機のコックピットも例外ではありません。この水上飛行機はカナダのデハビラント社製で、デジタル化以前に造られたらしく、計器、スロットルレバー、等など整然と並び、美しいと思います。
人間工学に基づいて、コンパス、エアスピードメーター、高度計、エンジンの回転計などがパイロットの正面にTの字に配置されて、右側には、燃料計などエンジン関係の計器と通信機器が配置されています。

いつも感じるのですが、自分自身はなぜ、飛行機に興味を持つのかを考えてみると、建築と共通性があるからだと思います。
それは、機能性と美が矛盾なく調和している典型的なものが、飛行機であり、建築も、ある意味で、同じ要素を持っているからだと思います。
by npo-iezukurinokai | 2012-06-15 00:10 | 藤田 辰男 | Comments(0)

梅雨入りに

本日、関東地方は梅雨入りしたそうですね。
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この季節、現場の工程監理が大変です。そして、犬の散歩もちょいと面倒です。
家を建ててから、犬でも飼おうかと考える方も多い昨今(かく言う私もです)。
計画時には、犬の足洗い場と雨の日のトイレ場、そしてルンバの利用をご一考ください。
たとえ犬を飼う気にならずとも、これらは日常生活の利便性をUPするものですから是非!!
坂東順子
by npo-iezukurinokai | 2012-06-09 16:32 | 坂東 順子 | Comments(0)